2020年12月5日土曜日

昔の彼女によく似た彼女

朝早い時間帯の地下鉄で客先に向かっている時のことでした。

ホームで電車を待っている私から少し離れたところに、細めのピッタリとしたブラックジーンを履いたスタイルの良い女性が立っていました。

遠目から顔を覗くと、マスクから出た上半分が何十年か前に何度か一緒に出かけたことのある女の子にとてもよく似ていて、驚きました。

電車が駅に到着すると、乗客はまばらにしかいない車中に乗り込み、座ったその女性の斜め前に私も席をとりました。

怪しく思われない程度にその顔をチラ見していると、当時のことを思い出してしまいました。



西海岸のベイエリアと呼ばれるメトロポリタンエリアの一つ。

その一部に国際都市でありながら、人口70万人程の小さな街に私は住んでいました。

当時、日本人女子がアメリカ人男子にえらくモテるのに比べ、言葉もあまりうまく通じず、そんなに背も高くない東洋人の男の子はほとんど女子に相手にされず、デートなど遠い夢の話でした。

それでも、滞在が2年を過ぎた頃、私にもようやくチャンスがめぐってきました。

数回でしたが、一緒に食事をし、映画も見に行きました。

しかし、最初のデートでは、日本で育った男の子としては、文化や生活習慣のギャップに後から思い出すと恥ずかしいことばかり。

友人から借りた車で家まで迎えに行った際、一度車を降り助手席の扉を開け、先に女性を乗せてから車を発進させるなど、その頃は考えも及びません。

テーブルマナーの習得も不十分なままレストランに行き、メニューを広げても、まだ若い時分の私にはどの順番で何を頼んで良いのかさえ分からず、困ったりしたものでした。

食後に通りを散歩しながらつなごうとした手は、それを予測してか、サッとポケットの中に隠れてしまいました。



昔の思い出に浸っている内に、斜め前に座っていた彼女は私より先に電車から降りて行ってしまいました。

仕事に行く途中のほんの短い、早起きへのご褒美のような時間でした。




2020年12月4日金曜日

ワニ革への絶妙なグラデーションは手染めならでは



イセタンメンズの公式メディア ISETAN MEN'S netにて、12月2日(水)から始まった<ダーミ/シキブ>クロコシューズ オーダー会の記事が掲載されています。

「ワニ革への絶妙なグラデーションは手染めならでは」ということで、画像ではシキブのレッドのドレスとブルーのローファーがそれぞれ紹介されていますが、



ダーミのクロコスニーカーの方もよろしくお願いいたします。


〈ダーミ〉〈シキブ〉オーダー会

□ 開催期間:12月2日(水)~12月15日(水)

□ 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階 紳士靴

2020年12月3日木曜日

キレイなローファー




これまでの10数年間で、弊社ではいくつもの靴をご紹介してきました。

その中にあって、この新作のローファーはとてもキレイな一足だと思います。



アッパー革は「皮革の宝石」と言われるクロコダイルですから、素材で魅せるのは当然です。



履いてしまうのがもったいないと思うほど、締まったシェープがカッコ良く、手に持ってしばらく眺めていても飽きることがありません。




基本的にはカラーオーダーでご用意しますので、お好みの色をお選びいただけます。

キャッチーな色付けを施した後、どこかでスペースを確保して、ガラスケースの中でライトを当て、まるでひとつのオブジェのように展示できれば理想的です。



この靴の製法はマッケイ。



外観は細身に見えますが、靴幅を表すワイズは3E(EEE)と結構足幅が広めの方にもお履きいただけます。

ブランド名: 〈シキブ〉Shikibu
品番: SA809
サイズ: 24.0~27.0㎝

2020年12月2日水曜日

伊勢丹新宿店 メンズ館 ダーミオーダー会 その2



本日12月2日(水)から伊勢丹新宿店にて、クロコスニーカー DAMI〈ダーミ〉及びフルクロコ革ドレス靴 Shikibu〈シキブ〉のオーダー会が始まりました。

今回は、その展示の様子をチョットだけご案内させていただきたいと思います。



紳士靴は、新宿店メンズ館の地下1階のほぼ半分を占めており、〈ダーミ〉と〈シキブ〉はその内のハイエンドと呼ばれる一角に置かれています。

ハイエンドの壁面の棚ではクロコスニーカー DAMI no. 2979が9片足、それぞれ違った色で並んでいます。



今回、ハイエンドコーナー入り口付近のガラスケースには、シキブのドレス靴 SA808新作のクロコローファー SA809が展示されています。

シキブのクロコ靴はカラーオーダーでのご提案となっていますので、それぞれの左側が染色前のクラスト状態の片足、右側にSA808がレッド、SA809がブルーに染色された片足を置いています。

どちらも濃淡のあるグラデーションになっています。



このアングルで見ると、左にガラスケース、右に壁面の棚、正面にカウンターがあり、レイアウトが良く分かると思います。




そして、ハイエンドコーナーの更に奥に入ると、オーダーサロンがあり、こちらが主な展示場所になっています。

サロン内のダーミの棚は手前から二つ目です。



上の2段に既製でご用意した定番クロコスニーカー、下の2段がパターンオーダーになっています。



 サロンの一番奥側がカラーオーダーです。

上のテーブルにはシキブのドレス靴とローファー、

下のトランクケースの上にダーミのカラーオーダーをご用意しています。

今日から15日(火)までの2週間、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

2020年11月27日金曜日

伊勢丹新宿店 メンズ館 ダーミオーダー会 その1



12月2日(水)から15日(火)までの2週間、伊勢丹新宿店にてクロコスニーカー DAMI〈ダーミ〉及びフルクロコ革ドレス靴〈シキブ〉のオーダー会が行なわれます。

場所は、メンズ館地下1階 紳士靴です。

今回シキブでは、片足にワニ革の中心部を裁断し、1足に2匹分のワニ革を使う贅沢なホールカットのドレス靴に加え、新作のフルクロコのローファーをご用意いたします。

どちらも手染めでお好みの色に染色するカラーオーダーでのご案内となります。

濃淡のあるグラデーションや2色使いが可能となります。


皆様のご来店を心よりお待ちしております。

2020年11月25日水曜日

今季最後の新作はクロコのローファー

最近の世の傾向でしょうか、腰をかがめて靴ヒモを結んだり解いたりするのが面倒というお客様のお声をよくお聞きします。

スニーカーさえも靴ヒモがないタイプが流行ったりしています。



さて、弊社では10月28日にご案内したホールカットのクロコドレス靴に続き、革底ドレスのクロコローファーを発表いたします。



ホールカットのドレスと同様に、こちらも染色前のワニ革クラストで先に靴を成形し、



お客様のお好みの色に染色の専門家が後から色付けするカラーオーダーでのご用意となります。

手染めですので、ドラム染色とは異なり、濃淡のあるグラデーションや2色使いで色をお選びいただけます。



第一号として準備したローファーは、



ブルーです。

先端に濃いめのブルーを配し、胴部に行くごとにそのブルーが少しづつ薄くなり、踵に移るとまた濃くなるというグラデーションになっています。



一見細身に見えますが、足幅の広い方にも気持ち良く履いていただける様に、この国内生産のマッケイ製法によるローファーは3Eで作られています。



一足目はブルーになりましたが、レッドやブラウン、また少し遊び心をもってオレンジ色のクロコローファーも良いかも知れません。



このローファーは、12月2日(水)から伊勢丹 新宿店メンズ館地下1階の紳士靴で開催されるオーダー会でお披露目となります。

来春向けにぜひ、お好みの色でご注文ください。

ブランド名: シキブ

品番: SA809

サイズ: 24.0~27.0㎝

2020年11月19日木曜日

許されざる募金

時々私は百貨店で行われるイベントなどで、販売応援という立場で紳士靴売り場に立たせてもらっています。

これは先日百貨店で私どものオーダー会が開催された時のお話です。


20歳代とおぼしき若い男性が私の前に現れ、「マスクが欲しいんですけど、どこで手に入りますか?」と聞いてきました。

現在は、どの百貨店でも入店されるすべてのお客様にマスクの着用をお願いしていますが、その男性はマスクをしていなかったのです。

しかし、百貨店の紳士靴売り場に来て、マスクの入手について聞かれても、通常その用意はありません。

もし私なら、まず一旦外に出て、薬局を探します。

しかもその男性は前のめりにツバキを飛ばさんくらいの勢いで話しかけてくるので、そのことが他者に与える影響よりも、自身のマスクの有無がより優先事項だったのでしょう。

どの様にご案内すれば良いか困っている私を見かねた近くの女性販売員さんが「こちらにどうぞ」と言って、その男性を売り場の奥に案内されて行きました。

しばらくすると、その男性は手にしたマスクの包装フィルムをはがしながら、私の目の前を通り過ぎ、マスクを着けて立ち去りました。

結局、靴売り場に用はなかったのです。


のちに助け船を出してくれたその女性販売員さんにお礼を言いに行き、どの様な対応をされたのかをお尋ねしました。

その女性販売員さんによると、売り場の奥のカウンターに医療従事者さん向けの募金箱があり、募金をいただいた方にマスクをお渡ししているとのことでした。

先ほどのお客様に、「100円でも50円でも良いので募金をいただければマスクを差し上げます。」とお伝えしたところ、その男性は募金箱に1円を入れてマスクを持っていかれたそうです。

その男性にとって、まずはマスクの入手が重要だったとは思います。

しかし、医療従事者さん達に感謝の意を表わす募金に最低金額の1円は、私には理解できませんでした。

その日のその後に、その男性が何かを購入したり、食事をされたりするのであれば、その1回を諦めてでも医療従事者さんに敬意を払って欲しかったと思ったのです。


他の募金であれば、私はそこまで言いません。

新型コロナウィルスの感染が広がり、医療従事者さんたちの受け取る報酬に見合わない過酷な労働や、自らを感染の危険にさらすリスクへの恐怖、更には風評被害からの差別による心的疲労。

一般の人には想像しづらい内容です。

そこに1円はないでしょう。


しかし、ここで「ハッ」と気付きました。

人のことに文句を言っている割に、自分自身は医療従事者さん達に何もしていないことを。

マスクは受け取りませんでしたが、マスクの金額分よりチョット多いくらいはその募金箱に入れておくことにしました。


医療従事者の皆様、大変な状況の中ご苦労様です。

直接お伝えすることはできませんが、感謝の気持ちは忘れていません。

いつもありがとうございます。