2019年12月12日木曜日

ダンサー?

私は以前、外資系のIT企業に勤めていました。
 
その会社に入社すると、営業職と営業技術職は全員一度本社のある西海岸のシリコンバレーに集められ、2週間朝から晩まで近郊のホテルに缶詰状態で研修を受けることになります。
 
私がその研修を受けた時、日本からは同時期入社の4人の新人と一緒でした。
 
ただし、彼らはまったくと言って良いほど英語がしゃべれません。
 
アメリカを含め、世界各国から集められた総勢100名ほどの新入社員がアメリカで研修を受ける訳ですから、もちろん言語は英語です。
 
そして、喋れようが喋れまいが、新入社員達はその研修終了後に試験を受け、合格したらそれぞれの配属先に戻り、仕事ができるようになるのです。
 
日本の企業研修などでは、研修所にホワイトボードを背にした講師がいて、受講者達は彼が話す内容を黙々と聞きメモをとるなど、例外はあれど多くの場合一方通行で知識の提供を受けます。
 
しかし、アメリカでは企業研修に限らず、学校などでも双方向のコミュニケーションで授業を進めます。
 
例えば、講師が「投資家が市場で円を大量に購入すると、円は?」と聞き、誰もがその答えを分かっていても、一人の生徒を指して、「高くなる」と答えさせます。
 
その会社の研修も同様で、もし自分が差されたら、立ち上がってサッと答えなければなりません。
 
研修に参加した日本人は全員、いつ自分の番が回ってくるかハラハラしていたと思います。
 
もし指されたら、「アー」とか「ウー」とか言いながらアホになったふりをしていると、講師は諦めて次の人を指名する場合もあります。
 
そして、まれに異変が起きることがあるのですが、一緒に研修を受けた一人の日本人はある意味勇敢でした。
 
質問はある顧客の満足度を上げるにはどうしたら良いかという類いのもので、大まかな質問内容は投影されていたスライドの絵で認識していたようです。
 
そして、指された彼は言ったのです。
 
「それは、寿司のようなものだ。」
 
当時は西海岸でも寿司が大変人気になっていた時期ではありましたが、「おいおい、ここで寿司の話かい?」という雰囲気で周りは反応しました。
 
「寿司屋はおいしくなければ顧客は増えない。だから、おいしい寿司を準備すれば良い。」と質問には外したトンチンカンな話で締めくくりました。
 
ジョークと受け取ってよいのか迷っている受講生の笑い声と一旦そこだけ一休みのような時間で、彼はその場をしのぐことができました。
 
あとから何人かが私のところへ来て、あの日本人は君の友達かと聞かれた時には少し恥ずかしい思いをしました。
 

さて、その事件は朝食のレストランで起きました。
 
研修の2週間は受講者全員、ホテルのレストランで用意された朝食と昼食を時間内にいただくことになっていました。
 
NFLプレイヤーも常宿にしているようでしたので、ある程度格式のあるホテルで、食事は制服を着たウェイターやウエイトレスによって運ばれてきます。
 
そして、朝食時に日本人のテーブルにウェイターが近寄り、お皿が空になった一人に「Are you done?」とたずねました。
 
「done」は「do」の受身形ですので、「終わられましたか?」となります。
 
更にウェイターは言葉の最後に男性への敬称「Sir」を付けて聞いたのです。
 
Are you done, sir?
 
そうすると、その日本人は席から飛び上がり、目をむいて両手を左右に振りながら「ノー、ノー」と訴え始めました。
 
そして、言い放ったのです、「アイアム ノット ダンサー」と。
 

普通レストランでお客さんにそんな質問はしないだろうと、平常心であれば分かるのですが、彼にとっては食後に近づいて来たウェイターでさえ緊張させる対象だったのでしょう。
 
不謹慎ながら、それを聞いた時、私は大声で笑ってしまいました。

2019年12月10日火曜日

ホームページの更新 2019年12月


ダーミジャパンのホームページが新しくなりました。

ぜひ、訪問してみてください。

http://dami.jp/




今回の主な更新は、New Releaseのページです。

トップに2020年春夏のランニングソールを使った新作 DAMI no. 3613の真横からの画像を配置し、アッパーに使われている3種類の革をお分かりいただける様にしました。



少し下にスクロールすると、2019年秋冬にブラックでご用意したクロコスニーカー no. 3687に、追加の一色としてシルバーをご覧いただける様にしています。



そして、New Releaseページの一番下には、トップ画像でご案内した no. 3613の詳細をお伝えしています。


皆様、こちらでご案内しております今季 DAMIの新作クロコスニーカー、何卒よろしくお願い申し上げます。

2019年12月9日月曜日

ヴォルカニックロックの no. 2979


先々月行なわれた弊社のオーダー会で、パターンオーダーでお受けしたご注文が上がってきました。



デザインは弊社定番のクロコスニーカー no. 2979ですが、色がこれまでになく特殊です。

名称は、ヴォルカニックロックと呼ばれています。



ロックは岩ですが、ヴォルカニック(volcanic)は火山という意味のヴォルケーノの形容詞形ですので、「火山の」または「火山性の」と訳されます。

ですから、この色ヴォルカニックロックは火山岩の色ということになります。



それを踏まえてこのクロコスニーカーをよく見ると、溶岩が冷めて固まった後の色のように見えてくるから不思議です。



ワニ革を使った既にレアな商品ではありますが、更にヴォルカニックロックという特殊な色で染色されていることで、出先などでお客様には話のネタにしていただきたいと思ってしまいます。

2019年12月7日土曜日

ゴールドに龍と虎のクロコドライビング

 
 先月のオーダー会では、カラーオーダーのメニューで、no. 3680ドライビングシューズをゴールドに染色するご注文をいただきました。
 

 
 先端と踵底部がダークブラウン系に少し濃くなるグラデーションです。
 

 
 ご注文時にお客様からは、とにかくカッコ良くして欲しいというご要望をお受けしました。
 

 
ご覧の通り、際立ったカッコ良さになったと思います。
 
しかし、ご注文いただいたお客様の期待に沿ったカッコ良さになっているかどうか、私自身少し心配です。
 


そして、今回いただいたオーダーでは、左足と右足それぞれに龍と虎をレーザーで焼き入れるタトゥーオプションもご注文いただきました。


さて、今回は特別にこのブログをご覧いただいている皆様に、タトゥーを入れる工程を少しだけご案内したいと思います。



まずは、左足の方から龍のタトゥーを。

最初に絵柄をレーザー加工機に接続されたPCに読み込ませます。



そして、こちらがレーザー加工機の加工台に靴がセットされた状態です。



基本的なところで、レーザー加工機のレーザーを発するノズルは縦横の2軸移動で絵を描いていくので、印刷面を平面にするために、まず靴の内側に平らな固定板を差込みます。

そして、出来上がった印刷面はノズルに対して垂直でなければなりません。

そのために平面のどこをとっても同じ高さになるように、ある程度精度のあるレベル出しを行ないます。

そうしないと、焼き入れる絵柄の線が太くなったり、絵柄が歪んでしまったりするのです。



レベル出しが終わったら、今度はノズルに対し、印刷位置を設定します。

レーザーノズルの先からまずは赤い点の光を出して、絵柄通りに印刷面を何度かなぞることで、正確な位置を特定していきます。



そして、レーザーでの焼き入れが始まります。

印刷時間はほんの数分ですが、レベル出しと印刷位置の特定でかなりの時間を要してしまいます。



レーザーで焼き入れた線画が出来上がりました。



デザイナーにより、龍の色付けが行なわれ、



ここで、タトゥーは出来上がります。



その後、アッパー革に染色を終え、龍のタトゥーのクロコドライビングが完成しました。



右足側の虎の方も、同様の工程を踏みます。



小さな線画の中に色を入れていくのは、結構大変な作業です。



虎の方もうまくいきました。



いい感じになったのではないでしょうか。



このドライビングのカラーオーダーでゴールドを入れたのは、今回が初めてです。

タトゥーの方は他にも選択がいくつかあるのですが、ほぼ毎回虎か龍、または虎と龍です。

なぜか、これらのタトゥーがゴールドにえらく似合っている様に感じるのは、私だけでしょうか。

2019年12月4日水曜日

伊勢丹新宿店 メンズ館 ダーミオーダー会 その5


本日(12/4)より、伊勢丹新宿店 メンズ館B1フロアーにて、クロコスニーカー DAMI(ダーミ)のオーダー会が始まりました。



ご覧いただけます様に、紳士靴のハイエンドコーナー通路側の棚に、クロコスニーカー no. 2979を10色並べています。



ここまで派手に並べたのは、今回が初めてではなかったでしょうか。



ハイエンドコーナー奥のオーダーサロンでは、クロコスニーカー定番の販売とスリッポンやミドルカットを含むパターンオーダーを受け賜わる準備をしています。



また、一番奥のテーブルにはお好みの色で手染めするカラーオーダーもご用意しています。


 
今回のガラスケース内の展示は、左から no. 3687新色のシルバー、ランニングソールを使用した2020年新作 no. 3613ブラック&ホワイト、no. 3687ブラックです。

それぞれの靴は透明の糸で吊られているのですが、こうやって画像で見ると空中に浮いているようで面白いです。


ダーミとしては、今年最後のオーダー会となります。

弊社一同、皆様のご来店を心よりお待ちしております。

2019年12月3日火曜日

金のクロコの長財布


金色のワニ革を使った長財布のご注文をいただきました。

まず、基本的なところで、染料に金色はありませんので、色付けは顔料を使用します。

染料は革の内部に染み込み、発色がよく、鮮やかな仕上げになります。

一方、顔料の場合、革の表面にとどまることで着色します。

染み込んで広がらないので、重厚感のある精細な色の再現に優れているということです。



さて、ゴールドでの着色ですが、濃くなっていく部分にダークブラウンを組合せ、2色使ったグラデーションとすることになりました。


今回の長財布の作製には、工程に悩みました。

2色で展開するグラデーションですから、革を先に染色してしまうのは結構大変な作業が予想され、リスクがあります。

また、染色前のワニ革クラストで先に長財布を作り、後から染色することも考えましたが、財布の内部にもワニ革を持つようにするため、製品にしてからの特殊な染色は困難です。

結局、染色前のワニ革の使用部位を先に裁断し、それを染色した後、長財布を縫製することになりました。

ですから、まず職人さんに製作依頼し、ワニ革を裁断してもらい、それをカラーリストさんのところに持込み、染色後にワニ革を再び職人さんに戻します。

高級素材ですから繊細な輸送管理と、それぞれの職人さんに独自のスケジュールがあり、うまく予定を組み込まなければなりませんでした。



こちらが、事前に裁断したワニ革が染色を終え、戻ってきた状態です。



上の小さな二つがファスナーの引き手用、下の少し大きめに並んだ2段の革が内側で帯状に縫い付けられるものです。



そして、完成した長財布。



こちらから見ると、この長財布の表の革は継ぎ接ぎのない、一枚のワニ革で作られていることが分かります。


 
長財布の内側です。
 

 
仕切りにもなっている中央のファスナーの引き手部分と、カードホルダー上部の帯部のワニ革が、表と同色になっているところは、この財布のお洒落なところです。
 
 
最近は百貨店の大きなイベントに出展参加すると、ワニ革のバッグや財布など革小物を展示している他メーカーさんが数多くいらっしゃいます。
 
しかし、私自身ではこれまで金色で作られたクロコの長財布を見たことはありません。
 
手前みそな言い方で恐縮ですが、自信の一品です。
 
お金がたくさん入ってきそうです。

2019年12月1日日曜日

伊勢丹新宿店 メンズ館 ダーミオーダー会 その4

これまでもお伝えしております様に、12月4日(水)から17日(火)までの2週間、伊勢丹新宿店にて、クロコスニーカー DAMI(ダーミ)のオーダー会が行なわれます。


前回のブログ記事で、このオーダー会では新作の no. 3687をブラックとシルバ―でご用意しますとご案内しました。


そしてこれは追加情報として、このブログ記事をご覧いただいている方のみへの告知となります。

実はブラックとシルバ―以外の色でも no. 3687はカラーオーダーとして対応が可能です。

オーダー会期間中に、新作のno. 3687を次の色の中からお選びいただき、ご注文いただけるようにご用意いたします。

1) ダークブラウン、2) ネイビー、3) ワイン、4) レッド、5) ダークグリーン、6) パープル、7) ブルー、 8) イエロー

これらにブラック、シルバーを加え、10色となります。



ご注文いただいた後に事前にクラストでご用意したクロコスニーカー no. 3687を染色しますので、少しだけお時間をいただきます。

この色があったら良かったのにと言ったような、もしこの中にお好みの色がございましたら、ぜひオーダー会期間中にご用命ください。

2019年11月30日土曜日

伊勢丹新宿店 メンズ館 ダーミオーダー会 その3

お伝えしております通り、12月4日(水)から17日(火)までの2週間、伊勢丹新宿店にて、クロコスニーカー DAMI(ダーミ)のオーダー会が行なわれます。
 
今回のオーダー会では、パターンオーダー、カラーオーダーと2020年春夏の新作販売開始を準備しています。
 

更に、2019年秋冬にレリースした新型のクロコスニーカー no. 3687のブラックに加え、2色目のシルバーのお披露目の場となります。



11月9日のブログ記事でもお伝えしましたが、no. 3687シルバーは少しガンメタリックの入った濃いめのシルバーですので、ピカピカのはではでシルバーではありません。

ファッションに合わせやすく、密かに来季の流行色にならないかと画策しております。



no. 3687は厚めのホワイトソールを使用していますが、特殊構造で「返り」が良く、快適な履き心地をご提供します。




新型のクロコスニーカーを「ブラック」と「シルバー」でご用意しています。

どちらでも、お好みの方からお試しください。