2018年8月9日木曜日

手染め2色使いの2979 その1

昨日もお伝えしました、弊社には染色前のクロコクラストを裁断縫製し、先にスニーカーを作り上げ、それを後からお好みの色で手染めによる染色を行うというメニューがあります。
 
特別なご要望がない限り、このメニューは百貨店催事などのイベントでご紹介しています。
 
そのメニューを使い、今回は2色使った商品が出来上がりましたので、ご案内させていただきたいと思います。


今回の2色は、フレームレッドとネイビーの組合せです。

フレームレッドを訳すと、「炎のような赤」と言う事になるでしょうか。


これまでも手染めによる2色使いはありましたが、それらは主に一つの色が他の色に少しづつ変化するというグラデーションを表すための2色でした。

例えば、靴の甲先端部に濃いブラウンを配し、そこから後方に向かい薄くなっていき、胴部辺りで明るいブラウンになるという2色。

また、赤がだんだん濃くなり、やがて黒になるというレッドとブラックの2色などです。




しかし、今回の2色は完全に部位を分けた2色です。



ご覧いただいてお分かりの通り、甲部先端のU字部、靴ヒモを通すハトメの縦長ライン部、



そして、踵のT字部がネイビーです。



フレームレッドは甲部中央からベロ部にかけてと、左右の胴部に大きく使われています。


この様な部位ごとに分かれた染色ができるというのは、これまでにはなかった新展開です。

通常、2色使った靴をご用意する場合、異なる2色の染色を施した革を部位ごとに裁断し、それぞれを縫製していきます。

また、弊社のDAMI no. 2979など製品染めするヴィンテージ系のスニーカーは、アッパー革を染料と共にドラムの中でかき回しながら染色します。

その場合は、甲部も踵部もまんべんなく同じ色に染め上がり、2色使いは不可能でした。


しかし、部位ごとにくっきりと分かれた染色ができれば、お客様のご要望に対する自由度が広がり、更に生産者側も工程が削減され、納期や価格面でもお客様へ還元できていると思います。

良いこと尽くしではないでしょうか。


もちろん、グラデーションのための2色はご希望のお客様向けに今後も継続し、ご用意させていただきます。

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