2019年12月21日土曜日

クロコスリッポン


なぜだか分かりませんが、この数カ月内に行なわれた弊社のオーダー会では、スリッポンのご注文を多くいただきました。

春先のイメージがあるスリッポンですが、お客様がお好きな時にお履きいただくことが重要で、特に季節を限定する理由は見当たりません。

やはり、靴ヒモをほどかずにサッと脱ぎ履きできるところが好まれるポイントでしょうか。

弊社のクロコを使ったスリッポンの品番は no. 3625です。

no. 3625は現在定番でのご用意はなく、パターンオーダーの中の一つとして、お好みの色でのご注文を受け賜わっています。



まず、最初にご紹介するのは「TAN」と呼ばれる色です。



TANは辞書で引くと、「黄褐色」や「日焼けの色」と出てきますが、どちらもあまり良い訳ではないので、TANはそのまま「タン」という名称で良いのではないかと思っています。



あいまいな名称とは異なり、この色はファッションに合わせやすいお洒落な大人色です。



クロコのスリッポンは大手ブランドでも黒や茶ではよくご用意されていますが、タンは他とはかぶらないユニークな色合いで、お客様はとても良い選択されたのではないでしょうか。




次にご紹介する色は、「サファイア」です。

サファイアはこれまでスニーカーの方で短期的にラインナップに加えたことはありましたが、その際は結構好評でした。



スリッポンにも良く合う、ビビットカラーのひとつです。



スニーカーに比べ、弊社のスリッポンは革を大きく裁断し、つなぎめが少ないので、ワニの特徴でもある斑の模様がより強調されます。



また、スニーカーと違い、ヒモを通すハトメの穴や靴ヒモがない分、シルエットがシンプルで綺麗です。



ご覧いただいてお分かりの通り、no. 3625は甲部を一枚で大きく取っており、クロコスリッポンとしての価値は高いと思います。




さて、3足目はレッドですが、この色はちょっとだけ特別です。

こちらのお客様はレッドのグラデーションをご希望されました。



通常、弊社のパターンオーダーはヴィンテージ系ですので、ワッシュタイプと呼ばれる後染め加工でご用意します。

染色前のワニ革クラストを裁断縫製し、アッパー部を先に作り上げ、底付け前の製品をドラムに入れ染色します。

しかし、この場合、単色でのご用意しかできません。



グラデーションをご希望の場合は、染色しないワニ革クラストでスリッポンを先に完成させ、国内で手染めによる染色でご用意することになります。



納期と少し手間が掛かりますが、色使いに特別なご希望がある場合はこの方法しかありません。



お客様に直接コメントをいただくことはできませんでしたが、今回のグラデーションレッドはお気に召していただけましたでしょうか。


私は個人的にはネイビーか濃いグリーンで、オンオフが兼用できるクロコスリッポンを春先に向け準備したいと考えているところです。

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