2016年1月30日土曜日
ワニ革トートの開き留めフック
こちらは以前にもこのブログ内でご案内したことのある、デニム色のワニ革を使ったトートバッグです。
裏革に赤い山羊革を薄くすいて貼り合わせており、ワニ革の裏の模様が山羊革の表面に浮き出ているので、まるでワニ革一枚だけで作ったかのように見え、私どもでは一枚仕立て風と呼んでいます。
さて、先日このワニ革トートをご購入いただいたお客様から、バッグの口に開き止めをつけて欲しいとのリクエストを受け賜わりました。
車のシートの上に置いて横に倒れた時などにバッグの口が簡単に広がって、中身が出て来ないようにしたいというのがその理由でした。
そこで職人さんとデザイナーが相談し、開き止めの方法をいくつか選択し、お客様にご提案しました。
結果的にお客様がお選びになったのは、脱着可能な金具でフック留めする方法でした。
取り外すとこんな感じです。
金具も角や丸などいくつかご案内しましたが、取り付けやすさを優先されたようで、丸みのあるフックになりました。
バッグの上端に短く細いワニ革を縫い付け、その先にナス管と呼ばれる金具と、
D管と呼ばれる金具を取り付けています。
この職人さんの凄いところは、このフックの根本に短く細いワニ革を、元からある縫い目穴と同じところに上から手で縫っているところです。
表から見ても、裏から見ても、後から付けたということがまったく分かりません。
このトートをお買い上げいただいたお客様にも、喜んでいただけたのではないかと思います。
2016年1月22日金曜日
2016年1月イタリア出張 PITTI IMMAGINE UOMO
今年も1月12日から4日間、イタリア・フィレンツェで行われたメンズファッションの見本市 PITTI IMMAGINE UOMO(ピッティ・イマジネ・ウオモ)に参加してきました。
余談ですが、羽田から夜中の1時5分に発つフライトを使うと、フランクフルト経由でフィレンツェには朝の9時過ぎに到着します。
一晩ゆっくりしたら、目的地に着いていたという感覚で、なぜだか時差ボケにもならず、結構快適でした。
初日朝、多くの人達が入り口で開場を待っていました。
我々は出展者ですので、早めに会場入りします。入り口ゲートを抜けると、
いつもの壁面には独創的な画像が描かれており、PITTI GENERATION(S)という文字が読み取れました。
今回のテーマは、GENERATION(S)のようです。
メインの入り口から入場します。
テーマに関係するオブジェが並ぶ広場は今回こんな感じでした。
見え難いと思いますが、奥にGENERATION(S)と表示されています。
さて、弊社の出展場所はいつもと同様のメインパビリオン内の地下1階の西(?)出口扉前Q13スタンドです。
お取引先のバイヤーさんたちにブースを訪問いただき、色々とご意見を賜りました。
結果として、今回出展された新作の中から4点ほどが2016年秋冬のスタイルとして選択されています。
今回は凄く期待が持てそうです。
ぜひ、お楽しみにしていてください。
2016年1月7日木曜日
no. 3575 プレーントゥのダークブラウン
こちらの靴は、現在私が履いているDAMI no. 3575 ダークブラウンです。
元々この靴はドレス靴とスニーカーの中間に位置付けられた商品でした。
例えば、イタリア製の一流ブランドでアッパーがすべてワニ革のカチッとしたドレス靴であれば、価格は50万円を下らないのではないでしょうか。
人生のどこかで一度は履いてみたいと思っても、簡単に購入できる金額ではありません。
また、購入したとしても、合わせるファッションが限られることもあり、履く機会はそんなに多くはないかも知れません。
ではそこで、ドレス靴の内ハネや外ハネと言った型でワニ革を裁断し、弊社のヴィンテージスニーカーと同様に後染め方式でワニ革が柔らかいドレスタイプの靴を作ることにしました。
そして、アウトソールをラバー製にして履き心地を良くします。
色もありがちなブラックではなく、ダークブラウンに靴ヒモとミッドソールをレッドにしたものと、ブルーに靴ヒモとミッドソールをグリーンにしたものを用意し、カジュアル感を出すようにしました。
最後に、価格は消費税を含めても10万円代でご用意できる靴を作ってはどうか。
形はドレス靴ですので、ジャケットに合わせても違和感はありません。
ラバーソールですし、色も明るめですので、カジュアルファッションにも合わせられるので、履いていただく機会も格段に増えると思いました。
これらが、no. 3575ダークブラウン、no. 3576ブライトンブルーの商品コンセプトでした。
しかし、販売開始後、時々お客様から「アウトソールが白でなければ購入したのに。」というお言葉をいただきました。
年齢が高めのお客様の中にはスニーカーは履かないという方もいらっしゃり、白ソールに抵抗があるというのが主な理由のようでした。
そこで、弊社がお世話になっている修理職人さんと相談し、ビブラム社製の黒いラバーソールを付け替えられるようにしました。
それが、最上段画像の私のno. 3575です。
黒いラバーソールに付け替えられると言っても、標準品はイタリアで白ソールで作られて来るので、交換はあくまで国内の修理対応となり、別途費用が掛かります。
左が黒ソールに交換したno. 3575、右が標準の白ソールのものです。
黒ソールのものは履き始めてから8カ月ほど経ちました。
履いていて気付いたのですが、ビブラム製のソールは純正のものに比べ少し硬いようでした。
そこで、靴底の前から3分の1ほどのところにV字の溝を3本入れてみました。
そうするとどうでしょう、「返り」が良くなり、とても歩きやすくなりました。
(返りとは、靴底の屈曲する部分のことです。この部分がしなやかに曲がることが良い靴の一つの定義とされています。)
no. 3575の中敷きには元々クッションは入っているのですが、私は更に柔らかくしたかったので、市販の中敷を差込み、履くようにしました。
同じ靴ですが、簡単な処理を行うことで、格段に快適になりました。
この靴は元々ヴィンテージ製法ですので、もう少し履いていくともっと良くなってくるような予感がします。
ヘビーローテーションになりそうです。
大変残念なことですが、今回ご案内した DAMI no. 3575ダークブラウンとno. 3576ブライトンブルーは生産中止となります。
現行の国内在庫は、1月13日からの伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階でセール販売となります。
数に限りがありますので、ご興味いただいたお客様にはお早めのご購入をお勧めいたします。
2016年1月5日火曜日
ワニの穿孔
ワニ革の斑と呼ばれる四角いウロコの中に、穴があるのをお気付きになったことはありますでしょうか。
これは専門家の間で穿孔(せんこう)と呼ばれる穴です。
実はこの穿孔は、ワニの感覚器官なのだそうです。
ワニはこの穿孔で水圧など様々な変化を感じ取るようです。
そして、アリゲータと呼ばれるミシシッピワニやその他一部のクロコダイル種のワニには、腹の部分にこの穿孔がありません。
また、原皮の加工法によっては、その過程の中で穿孔が見え難くなることもあるようです。
さて、この年明け早々に弊社のワニ革スニーカーのお取扱い先から、店頭の商品にクレームを受けてしまったとのお電話をいただきました。
「通常、ワニのうろこの中にあるはずの穴がない。だからこのワニ革は偽物ではないか。」と言うようなことだったそうです。
ひょっとすると、そのお客様はすべてのワニ革には斑の中に穴があり、穴がないものは型押しされた偽物とお考えになったのかも知れません。
しかし、この場を借りてお伝えさせていただきます。
斑の中の穿孔と呼ばれる穴は、ワニ革の種類を判別する場合に使われることはありますが、それがないからと言って偽物と判断するのは早計です。
穿孔のないワニ革もあるからです。
また逆に、最近のワニ革を模した精巧な牛革の型押しには、穿孔を付けたものもあるようです。
何卒勘違いをなさいませんように、お願い申し上げます。
2016年1月2日土曜日
2016年 新年のご挨拶
皆さま、
新年明けまして、おめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。
早いもので、ダーミは日本オフィスを開設し、今年で9期目となりました。
本年も、何卒よろしくお願い申し上げます。
株式会社ダーミジャパン一同
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