2019年10月26日土曜日

今年こそは

出張で移動中の新幹線の中から見た富士山はとても綺麗でした。
 
 
この何年かの中でも、際立って一番ではないでしょうか。
 
山そのものの形状の美しさに加え、快晴の空の下、山肌がよく見え、雪と山頂付近をそこだけ帯のように取り囲む雲が、この構図を引き立てます。
 
最近はスマホのカメラで、しかも高速で走る列車の中からでも、このレベルの写真が撮れるというのは、改めて技術の進歩とそれを支える開発者さん達の日々の努力の成果だと感服いたします。
 

遠くから見ると綺麗で良いのですが、その姿からは想像できないほど、頂上へ行くととても寒いはずです。
 
毎年思うのです、今年こそは登ってやろうと。
 
そんな誓いを立てて、もう何年にもなります。
 
しかし、登るなら夏でしょうから、10月も後半になってくると、今年はもう無理だと諦めてしまいます。
 
「今年こそは」とそう思いながら、また来年、再来年と同じ様に時は過ぎていくのでしょうか。
 

思い起こすと、「今年こそは」と思っているものがいくつもあります。
 
夏の早い時期の海水浴もそのひとつ。
 
まだ、人気のない6月後半か7月始めにゆっくりと浜辺に横たわって、午前中を過ごしたいと。
 
そう思いながら、仕事が忙しいと言い訳しつつ十何年。
 
毎年どうこうするうちに、夏は真っ盛りになり、海水浴場は家族連れでいっぱいに。
 

あと、札幌の雪まつり。
 
まだ、一度も見に行ったことがありません。
 
雪を使って、人の手によって作られた巨大なオブジェで感動したいと。
 
その思いを時は無視するように、いつの間にか暖かい季節へ。
 

そして、博多山笠。
 
まだ子供だった頃、櫛田神社の境内を囲う塀の上によじ登って見た、一番山から始まる大人の男たちが神輿を担いで真剣に走る物凄い熱気。
 
あれが祭りだと一度でも認識してしまうと、他の地方で笛を吹きながらワッショイワッショイと神輿を担ぐお祭りでは満足できなくなってしまいます。
 
大人になって、あの感動をもう一度味わいたい。
 
そう思いつつ、これももう何十年も経ってしまいました。

2019年10月22日火曜日

阪急メンズ大阪 ダーミオーダー会

10月23日(水)から29日(火)までの1週間、梅田の阪急メンズ大阪にて、クロコスニーカー DAMI(ダーミ)のオーダー会が行なわれます。
 
場所は昨年同様、1階紳士靴売り場でドレス靴が並ぶ前面の中央です。
 
関西地方でのダーミのオーダー会は昨年の7月以来ですので、1年3ヵ月ぶりとなります。
 
皆様のご来店を、心よりお待ちしております。
 
 

こちらは昨年のオーダー会の様子です。

定番クロコスニーカーの販売に加え、今回もスリッポンやミドルカットで受け賜わるパターンオーダーや、お好みの色に染色するカラーオーダーをご用意しています。

他所にはないご自身だけの一品でご用命ください。

2019年10月20日日曜日

スーツに合うスニーカー

少し前のニュースですが、オリンピックのメダリストでもあるスポーツ庁長官がビジネスマンへのスニーカー通勤を推奨していました。
 
また、Snap LEONや他のスタイルブックなどで紹介されるイタリアのオヤジたちの中でも、最近はスーツにスニーカーといったお洒落な履きこなしが数多く見られる様になりました。
 
もうビジネスマンも、黒の革靴だけの世の中ではなくなるのではないでしょうか。
 

このところ、欧州ブランドのメジャーどころでもスーツに合うスニーカーを出してきています。
 
ようやくスーツにスニーカーという組合わせにアレルギーを感じる人が少なくなってきたことが、メジャーどころの供給を促進させていいるのでしょう。
 
時々思い出すのは、90年代初頭に女の子に茶髪が流行り出した頃、「東洋人の顔に茶髪は合わないでしょう。」と言ったりしたものです。
 
しかし、現在はもう当たり前の様に茶髪女子が市民権を得ていて、何の違和感も感じなくなりました。
 
「スーツにスニーカー」も、今後同じ様な意識改革の流れが広がっていく可能性は大いにあると思います。
 

手前みそ的な話で恐縮ですが、実は私どもは10年以上前からスーツにスニーカーを提唱してきました。
 
根底には、日本人をもっとお洒落にという発想と、高級素材を使ったカジュアルシューズの出番を多方面に求めたかったからということもありました。
 

そして、先出のメジャーブランドの1社さんも仰っていますが、スーツにスニーカーとは言え、休日用や運動用に所持していたものを使い回すというのは、ちょっと違うと思います。
 
お洒落な大人であれば、ここはスーツに合わせたスニーカーをご用意いただきたいところです。
 
とは言え、合わせるスニーカーの色と素材は大切です。
 
中には、白いレザースニーカーでスーツ用としているブランドさんもいらっしゃいます。
 
しかし、国内ではまだまだ黒や茶、また濃いグレー系が多いスーツファッションに白は目立ち過ぎで、どちらかと言えば最初は色は濃いめのスニーカーの方が良いかも知れません。
 
私どもの定番ラインナップにも、ホワイトのクロコスニーカーがあります。
 
しかし、もし私がスーツにホワイトのスニーカーを履いていて、ここぞと言う来客があった場合、その時だけはまだ他の靴に履き替えるかも知れません。
 

私の勝手な予想ですが、今後スーツにスニーカーは若めの世代からもっと広まって行く様な気がします。
 
もしそうであれば、オヤジ世代としては、ちょっと奇をてらって若い世代とは差別化された素材から始めるのはどうでしょうか。
 
 

スーツで決めた足元に、クロコのドレスタイプスニーカー。

自分からは積極的に申告せず、「えっ、ワニ革ですか?」と気付いてもらうと、ちょっとうれしいかも知れません。


そう言えば、先日ご接客させていただいたお客様も、帝国ホテルに履いていってもおかしくないクロコスニーカーが欲しいと仰られ、1足オーダーでお買い求めいただきました。




スニーカーがスポーツ用の履き物とされていたのは、もうすぐ過去のお話となりそうな予感です。

2019年10月13日日曜日

台風19号の通過を目前に

関東地方では19号が通過する日、鉄道は計画運休、航空会社もほとんどの路線で欠航を決めており、3連休の週末ですが、人の移動は少なくなっていたと思います。

さて、その日の私はと言えば、通常は週末も営業する百貨店を中心としたお取引先は、前日に臨時休業の案内を出していたので、電話がくる事もないだろうと、ゆっくりしていました。


朝起きた時点で既に降っていましたが、数時間後に台風が直撃するといった強さを感じさせる程の雨ではありませんでした。

シャワーを浴びた後、急に予定がなくなった週末をいいことに、昨日飲み残しのグラスに半分ほど残ったビールをグッと空けると、この時間帯にはあまりない気分になってきました。

簡単にメールやSNSをチェックし、もう少し飲もうかと冷蔵庫の中を確認すると、プシュっとやるヤツが一本もありません。

近所にスーパーが複数店あるのですが、この日は朝から閉店とのこと。

よく調べてみると、その内の1件は午前中だけ開店するということで、TVでは不要の外出は避けるようにとアナウンスしていましたが、雨の中出陣することに。

どうせ濡れてしまうのならと、上はTシャツ一枚、下は短パンにゴムサンダルと、少し肌寒くなったこの頃には珍しい真夏のビーチのオッサンスタイルに傘をさして飛び出しました。

そのスーパーは駅前にあり、本来なら週末の午前中でも結構な人通りがあるはずですが、歩く人の姿はまばら。

久しぶりに履くサンダルの鼻緒が足の指の間に食い込んで痛いのですが、本来靴だと気にする水溜りをジャブジャブ踏み歩けるのは快感です。

車は結構走っており、路線バスも動いています。

駅前のガード下をくぐるとゴーという音が聞こえ、電車はまだ止まっていない様です。

同じロゴの入ったスーパーのポリ袋を下げた何人かの男性とすれ違います。

たぶんここだけ開いている店に、私同様あわてて買い物に来られた人たちではないでしょうか。

途中にあるチェーン店の薬屋さんもビデオ屋さんも今日は開いていません。

もうすぐ閉店という頃にスーパーにたどり着き、中に入るとまだ多くの人が買い物中でした。

当初の予定通りビールをつかんでレジに並び、自動機で支払いを済ませ店を出ると、そんなに時間は経っていないはずなのに雨風は強くなっていました。


歩道には急に水量を増してきた川の様に流れる雨水。

建物の間を傘を持っていかれそうなほど強烈な風。

帰り着いた時にはホッとする程でした。


TVの天気予報では、雨はこれからもっと強くなると伝えていました。

ようやく台風の接近を肌で感じ、これから更に発生する被害のことを考えると、ゆっくり休む気分ではいられなくなってしまいました。


台風19号で被災され、大変な思いをされていらっしゃる方々には心よりお見舞い申し上げます。

一刻も早い復興をお祈り申し上げます。

2019年10月7日月曜日

カラーオーダーで受け賜わりました


染色前のワニ革クラストで先にクロコスニーカーを作り、後から手染めで色を付けるという「カーラーオーダー」で、先月はブラウンのご注文を受け賜わりました。

このスニーカーは、私ども本社のあるイタリア・トスカーナ地方で生産され、ワニ革はなめし技術が高く世界的にもシェアの大きいヘンロン社のものが使用されています。

このスタイルは、弊社定番のクロコスニーカー no. 2979です。



基本的なところで、カラーオーダーをお受けする際は、この様な革見本の中から色をお選びいただきます。



それぞれの色で濃淡のあるグラデーションでご用意できますので、例えばスニーカーのどの部分を濃く、またどの部分を薄くするなどのご要望にお応えすることができます。



しかし、これまでいただいたほぼすべてのご注文で、甲部先端と踵が濃く、中央を薄くという配色になっています。



今回いただいたご注文もその例に漏れず、甲の先端を濃いブラウンにし、後方の胴部に行く毎に少しずつそれが薄くなり、また踵に向けて濃いブラウンに戻っていきます。




ウチではカラーオーダーの色付けを、国内で専門のカラーリストさんにお願いしています。

いつもブレることなく、リクエスト通りに染色を仕上げてくれます。



グラデーションなどで色作りをしていくのは結構難しい作業なのですが、出来上がった商品を見て、「違うじゃない!」と思ったことはこれまで一度もないのです。