2018年3月31日土曜日
ネイビーグリーンのワニ革ショルダー
ショルダーバッグをお作りしました。
ワニ革の色がとても特徴的で、何とも表現しがたいのですが、あえて言えばネイビーとグリーンの中間色といった感じでしょうか。
まずお客様から、ご自身でお持ちだったルイ・ビトンのショルダーバッグよりちょっとだけ大き目のものを、クロコでお作りになりたいというご要望をいただきました。
また、柔らかく作り、肩からかけた時、バッグが体に寄り添うくらいにして欲しいとのことでした。
お客様のこだわりで、天面にあるファスナーの両端が外に出るようにしました。
ファスナーの開き口をできるだけ大きくするということが目的でした。
開き口の端は、中と外のどちらにもホックで留められるようにしています。
内側は中が目立ちにくいようにと、黒い革にしました。
但し、ポケットの位置が分かりやすいように、ステッチを白にしています。
お客様のお名前を真鍮に彫刻し、縫い付けています。
内側ポケットの中に更にポケットが。
ショルダーストラップは使い勝手が良かったということで、元々お持ちだったルイ・ビトンのものを再利用しました。
このストラップはこれまでに何度か修理されたとのことで、頑丈に作りなおして欲しいとのご要望にお応えしています。
当初お客様にいただいた、ソフトで強く、荒々しくという、リクエスト通りのバッグになったと思います。
2018年3月22日木曜日
GG 5月号 2018年
大変なことになってしまいました。
皆様、GGという雑誌をご存じでしょうか?
GGはGolden Generationsの略で、表紙の右上には「50-60代の余生快楽誌!」と記載されているGGメディア発行の月刊誌です。
そして、明日3月23日に発売されるGG 5月号に、クロコスニーカー DAMI(ダーミ)no. 2979ホワイトの記事が掲載されています。
今日、事前に配布される掲載誌が私どもに届いたのですが、その記事を見て驚きました。
まず、69ページに間違いなく弊社の no. 2979の写真が載っているのですが、紹介文を見るとサントーニさんのスニーカーの内容になっているのです。
そして、ページをめくると、次ページにサントーニさんの写真の横にはダーミの紹介文が載っていました。
しかも記事中に「ゴンマート」のことが書かれています。
ゴンマートと言えば、2014年の秋冬に限定品として販売した弊社のスニーカーですが、なんで今更ここでゴンマートなのかと不思議な思いです。
あまり取材をせずに、ご存じのことだけで記事をまとめたのかも知れません。
写真の間違いも大きな問題ですが、「ほかにもいっぱいあるでしょ、書くことは!」と思ってしまいました。
これまでは、商品を雑誌に記事としてお取り上げいただく場合、まず商品をスタイリストさんにお貸出しし、撮影いただきます。
その後にライターさんまたは編集者さんから紹介記事の校正が私どもに届き、内容の確認が行われます。
しかし、今回は商品のお貸出し後、何のご連絡もいただかず、今日に至ってしまいました。
この雑誌を見た方が、サントーニさんのスニーカーが欲しいと私どもにお問合せしてきたら、どうしたらいいんでしょうか。
2018年3月18日日曜日
クロコのパスポートケース その2
前回の「クロコのパスポートケース その1」で、ネイビーのパスポートケースをご案内しました。
そのパスポートケースの作製は、お世話になっているお客様からのご依頼だったのですが、出来ばえがよく、社内でも好評でしたので、その後にいくつか作ってみることにしました。
一つ目は、パープルです。
開いた裏革も、同色のカーフで合わせました。
パスポートを入れるとこんな感じです。
表紙を左側の扉の中に差し込んでも良いのですが、撮影のために裏表紙だけを右側に差し込んでいます。
表革は一枚のワニ革です。
二つ目は、ゴールドにしました。
裏革は、ゴールドのワニ革に合わせても違和感のないキャメル色を選択しました。
こちらも表は一枚です。
三つめは、明るい薄めのグレーです。
こちらは裏革も同色です。
このグレーも一枚革ですが、私はこの色と斑の模様がとてもマッチしている様に思いました。
3色とも共通の特徴として、斑の模様が真ん中から左右対称になるよう、ワニの腹部の中心を縦に裁断しています。
ワニ革を真ん中から抜くとシンメトリーがキレイで良いのですが、残りの革の使い勝手が制限される分、贅沢な作り方と言われます。
今回、現時点で作れる3色を用意しました。
実はここで本当のことをお伝えすると、3つのパスポートケースの内の一つは、表のワニ革が一枚ではなく継ぎ接ぎがあるのです。
そう言われるとお気付きになる方もいらっしゃると思いますが、どれかお分かりになりますか?
こういった繊細な部分を見るたびに、私は職人の技に感銘を受けます。
もしお求めになられる方がいなければ、そのパスポートケースは自分で購入しようと考えています。
海外でその継ぎのあるパスポートケースをお見せした際、日本人の器用さを話のネタにできると思うからです。
これらのパスポートケースは、次の私どものオーダー会で出展する予定です。
2018年3月17日土曜日
クロコのパスポートケース その1
ワニ革でパスポートケースをお作りしました。
これまで弊社でご用意したバッグや小物類に比べると、パスポートケースは非常にシンプルな構造です。
財布であれば、お札がどれくらい入るかでマチ幅が変わったり、ファスナーが付くか付かないかや、またその設置位置などで、商品自体に個性が出てきます。
バッグだと更に複雑です。
しかしパスポートケースの場合、パスポートが納まるサイズに作り、他に特別な機能を必要としなければ、カドが丸か角かくらいの違いで、他に差別化するところはありません。
今回のパスポートケースの特徴といえば、お客様のご要望で、開いた内側の右にカードが入るポケットを二つ付けました。
海外ではパスポートとクレジットカードが最低限必要なアイテムとのご判断からでしょうか。
作ってみた後に気付いたのですが、クロコのパスポートケースはそんなに悪くありません。
何が悪くないのかというと、ワニ革は素材自体が高いので、バッグなどを作ると高額になります。
しかし、パスポートケースであれば、使用面積が小さいため、それほど高額にならず、素材の高級感はそのままで、お洒落なプレゼントにしやすいと思ったからです。
そして何よりも、商品に個性が出にくい分、好き嫌いが少なく、受け取った人が喜んでいただく可能性は高いのです。
誕生日や何かの記念日にプレゼントとしてご選択されるお客様は結構いらっしゃるかも知れないと思いました。
以前、私は自身のパスポートには透明なプラスティックケースを付けていました。
しかし、出入国審査では、どのみちケースから取り出して検査官に渡さなければならないので、パスポートをケースに入れるのは止めてしまいました。
クロコのパスポートケースなら、取り出した時がカッコ良いので、アリだと思います。
自分自身にひとつ欲しいと思ってしまいました。
ちなみに、日本のパスポートは世界一だそうです。
シンガポールと並んで、ビザなしで渡航できる国が180カ国と最多だからです。
平和な商業国で、ビジネスや投資への関心が高いと認められていることが主な理由ということでした。
2018年3月13日火曜日
外ハネのドレススニーカーをスリッポンのように その4
これまで同じタイトルで3回ご案内してきた内容ですが、私自身この靴がとても快適で、何度もお伝えしたくなってしまいます。
要点を簡潔に申し上げますと、クロコのドレススニーカー no. 3655の靴ヒモをエラステッィクのものに換え、靴ヒモを結んだまま簡単に脱ぎ履きできる様にしたのです。
定番にご用意した靴ヒモを、
この様なエラステッィクの伸び縮みするものに取り換えました。
そうすると、この様にハネ部が広がり、
靴ヒモを結んだままでもスポッと足が靴に入り、
スリッポンのように履けるのです。
なぜこの様に履けるかと言うと、この靴ならではの大きな理由が2つあります。
まず、靴の形が外ハネであるということ。
他のタイプに比べ、外ハネは両方のハネ部が外側に広がりやすいという特徴があります。
加えて、ヒモを通す穴が片ハネ4穴で必要最小限のため、エラステッィクのヒモが適切な範囲で伸び縮みし、足入れの際に外ハネを効率的に広げるのです。
内ハネタイプや片ハネに7穴あるスニーカータイプだと、これほどうまくは行かないと思います。
そして、次に甲の中央部がメッシュでとても柔らかく「返り」が良いので、足を入れやすいということがあります。
元々この靴は歩く時の返りの良さで、心地良いと評価は高かったのですが、履く時にもその返りの良さがスムーズな足入れを実現しています。
足を入れると、ハネ部が広がり、
スポッと履けます。
尚、クロコのドレススニーカー no. 3655は本年1月からセール対象商品となり、少しお買い求めやすくなりました。
しかし、年初のセール販売が終了したために、現在販売先にno. 3655の在庫は置いていません。
ダーミジャパンまでメールまたはお電話をいただけましたら、no. 3655はご希望の常設販売店で、エラステッィクの靴ヒモを付けてご用意させていただきます。
ご興味いただいたお客様のお問合せをお待ちしております。
2018年3月8日木曜日
ワニ革のカブセ付きボストン
出来上がると、もの凄いバッグになっていました。
隣りにiPhoneを置いていますので、その大きさがお分かりいただけると思います。
四角の斑が綺麗に並ぶ60cm台のポロサスを3枚使用した、カブセ付きのボストン。
実質サイズは、37㎝x49㎝x20㎝です。
-左側部-
ワニ革は他の皮革と比べ、使用できる面積が限られている分、サイズの大きなバッグは作り難いと言われています。
革にツギハギがあれば、大きなバッグにも対応できるでしょうが、大きな部分を1枚で作ってしまうのが、希少素材のワニ革で作る醍醐味ではないでしょうか。
-背面-
私どもも、常々いつかはワニ革で大きなボストンバッグを作りたいと考えていました。
そして今回、このバッグのお客様からご注文いただいたことで、ようやく念願をかなえることができました。
-右側部-
まず、1点お伝えしたいのは、今回使用したワニ革がヘンロン社が保有した超の付く特別品だということです。
世界一のなめし技術を誇るシンガポールのヘンロン社では、数年前からルイ・ヴィトングループが資本参加を始め、今年からは完全にその傘下となりました。
今回は、ヘンロン社内で本来ルイ・ヴィトンの商品だけに用意される最高級のワニ革を10枚だけ日本に持ち込み、そこから3枚を使用して、このボストンを作りました。
-天面-
バッグの作製にあたっては、まずワニ革クラストの状態をお客様にお見せし、色をお好みのブルーグレーに染色するところから始めました。
さて、ここからはバッグの内側に付いてです。
衣服を脱がす様に、中央で留められたベルトを外し、
カブセ部を開けると、
内部には、まずスラックスバインダーが収められています。
旅行用のバッグですから、替えのパンツを伸ばしたまま挟めるようにしています。
そして、そのバインダーを取り出すと、その下にポーチが入っています。
スラックスバインダーとポーチも含め、すべてお客様のご要望に沿ってお作りしました。
ポーチの中には、旅行の際に持参されるものがすべて納まる仕切ネットを使ったオーガナイザが入っています。
デザイナーがお客様のお持物それぞれのサイズを計測させていただき、すべてが入るように設計しました。
-正面-
このバッグの出来ばえには、私どもは満足以上のものを感じています。
尚、お客様のご好意で、今回ご紹介したワニ革ボストンは、日本橋三越本店2階バッグ&ラゲッジとなりのイベントスペースで展示されました。
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