2023年12月25日月曜日

フォレストグリーンのワニ革縦長トート



ワニ革を使った縦長のトートバッグが完成してきました。

ちょっと渋めのフォレストグリーンに染色されたワニ革は、以前ここのブログでもご案内した比較的斑の並びが綺麗に整ったポロサスと呼ばれる種類のクロコダイルです。



その同色同サイズを2枚用意し、両方の胴部にツギハギのない一枚つながりのワニ革の中心部が充てられ、贅沢に左右対称にそろった斑の並びが一面に表現されているところが、このトートの一番の売りです。



この縦長トートは、高さ32cmx横26cmでA4用紙が楽に入る、標準的な使いやすいサイズになっています。



マチ幅も、厚過ぎず薄過ぎない8cm。


内側は、上端から5cmほどのところまで表と同じワニ革が縫い付けられており、そこから下は表に比べると少しだけ明るいグリーンの柔らかいヤギ革が使われています。



このトートには高級な素材が使用されていますが、構造はとてもシンプルで、内側にポケットさえありません。


ただ1点だけお客様のご希望で、バッグの中にオレンジ色のこちらもヤギ革でできたパッドが入っています。


一枚のシンプルなパッドですが、ちょっとした時に取り出して、この上でメモ書きができるようにとのご依頼でした。


持ち手部はシルバーの金具で接続されており、外側に折り曲げることができます。

革だけでできた持ち手で、バッグとの接続部で折り曲げられないと、乗り物などで座った時などに縦に抱えられれば良いですが、膝の上に寝かせて持つ場合は持ち手がお腹にあたり、ジャマになったりします。

また、この金具を使う利点のひとつとして、持ち手部の革が傷んだりした場合、金具から先の革だけ取り換えられることがあります。


底部には6か所、持ち手の金具と同じニッケルシルバーの底鋲が付いています。


このワニ革バッグは良い感じで仕上がりました。

私どもダーミジャパンでは、Shikibuのオーダーバッグを始めていつの間にか16年が過ぎていました。

手前みそな話で恐縮ですが、デザイナーと職人ともにその技は近年更にこなれ、始めたばかりの頃では、シンプルさの中に、この深みを出すのは難しかったかも知れません。


黒や焦げ茶とはまた違い、フォレストグリーンがとてもオシャレです。

2023年12月20日水曜日

ヒマラヤクロコの二つ折り財布


ヒマラヤというクロコ革を使い、二つ折り財布をお作りしました。



ヒマラヤと言えば、フランスのトップブランドが手掛けるバッグの中でも最高峰のモデルに使用されていることで有名です。

他のクロコ革に比べ、原皮の加工工程が特殊で、その外観の特性上、事後処理でキズなどを隠すことができず、元から綺麗な一級品のクロコ革を使用することから、値段は高めになります。




ヒマラヤは、クロコの腹部の中心から左右外側に向け斑の形が少しずつ小さく丸くなっていくシンメトリーのその両端に、淡いグレーが少しずつ濃くなるグラデーションで伸びています。

本来、クロコ革はなめし工程を終え、次の染色工程に移る前はクラストと呼ばれる全面が真っ白な脱色状態です。

しかし、ヒマラヤは完全に脱色せず、クロコダイルのオリジナル色素を残して商品化されたものです。



今回のこの二つ折り財布は、開いたその内側も表と同じヒマラヤのクロコ革でできた無双タイプです。



財布を開いた状態で上から見ると、お札の差し込み口の右半分にファスナー部があります。



そのファスナーを開くと、小銭入れです。

実は、このデザインはお客様が使用されていた牛革製の二つ折り財布を、クロコ革で作って欲しいとのご要望に基づき設計されています。

もちろんオーダー品として受け賜りましたので、デザイン画を描くところから始まり、原型と同じモデルを一度仮材で作り、お客様がそれをご確認された後、製作に取り掛かりました。



この二つ折り財布の外から見えない札入れの内側の小銭入れ部分も、表革と同じヒマラヤクロコです。




二つ折り財布で使用した同じヒマラヤクロコで、カードケースもご用意しました。



カードケースの上端にファスナーがあり、薄めのものは中に納めることができます。



二つ折り財布と同じ素材のカードケースが同時に並ぶと、お分かりになる人は通常入手できないオリジナルで製作されたオーダー品ということに気付かれるかも知れません。

ヒマラヤクロコでできた二つのレアなアイテムは、きっとその所有者のこだわりのオシャレをアピールすることになると思います。

2023年12月10日日曜日

ブルーグレーのクロコ革セカンドバッグ



いい感じに上がってきました。

クロコダイルのセカンドバッグです。



ご覧いただいてお分かりの通り、クロコ革の斑の模様が真ん中を起点として左右対称となる様に充てられています。

また、胴部とポケットのカブセ部と更にその上部は別々のパーツですが、その三段がまるでつながった部位の様に、適切な斑のサイズで組み合わされています。

腕の良い職人さんにとっては当たり前の様な作業ですが、細かいところへの気遣いです。



左右対称は裏側の方の斑も同様です。

実はこのバッグは染色前のクロコ革クラストで先にバッグを作り上げ、その後染色専門の職人さんに持って行き、ブルーグレーでの色付けが施されました。

繊細な手作業による染色のおかげで、この濃淡の効いたグラデーションが実現しています。



天面部には横倒しになるカッチリした接合部に持ち手がつながり、ブルーグレーの中に一筋の光明が射す様にシルバーのファスナーが側部の下の方まで伸びています。

そのファスナーを開く引き手にもクロコ革が巻かれ、胴部と同様に染色されています。



バッグの内側には表側との程よいコントラストになったスカイブルーのヤギ革が使われており、内ポケットに縁取りされたクロコ革もブルーグレーになっています。



サイドからのビューもシンプルですが、上品に仕上がっています。

下方から上方に向かって少しだけテーパーがつけられています。



通常は見えない底部にも、一枚の同じ様に染色されたクロコ革が使われています。



素材にこだわり、私どもでできる最高の製法でご用意したクロコ革のセカンドバッグですが、更に今回お客様からのリクエストは使い勝手の良いバッグという事でした。

少しさわってみると実感しました。

そのご要望にもお応えできていると思います。

2023年12月8日金曜日

牛乳と乳飲料

恥ずかしいお話ですが、知りませんでした、牛乳と乳飲料があることを。


スーパーに行くと、牛乳も乳飲料も同じ形で同じサイズの紙パックに入っており、隣同士で同じように並べられています。

そこだけちょっと値段が低めだったので、店員さんに伺ってみたところ、その違いについて説明を受け、初めて認識した次第です。

更に自宅に帰り、ネットで調べると、次の様な説明がありました。

牛乳・・・・生乳を加熱殺菌しただけで、他のものは一切加えないもの

乳飲料・・・生乳に乳製品及び乳製品以外のもの(例えばビタミン・コーヒー・果汁など)を加えたもの

違いを気付かずに、私は時々乳飲料を牛乳のつもりで購入していたようです。


例えば、乳飲料の中でもコーヒー牛乳やイチゴ牛乳などその違いが明確であれば、間違いようもありません。

しかし、牛乳と同様に真っ白で牛乳と同じような風味を持った乳飲料は、それを知らない消費者が安いからと間違って買うこともあると思います。

事実、私がそうだった様に。

そして、供給者はそれを狙って販売していると言われても仕方ないのではないかと思いました。



見分け方としては、当たり前のことですが、パッケージに牛乳や乳飲料と表記されています。

それ以外にも、スーパーの店員さんに教えてもらったポイントとして、パッケージの上端の水平になったところの一部にくぼみがあるのが牛乳だそうです。(画像参照)


私は牛乳を飲むとお腹をこわしやすい体質です。

ですので、便通が悪い時などは牛乳を飲んで改善を図ったりします。

1000mlの牛乳パックを一気飲みすると効果はてきめんで、午前中に飲んだりすると、その日はトイレのない乗り物に長時間乗るのは避けなければいけない程です。

なぜかその私が、「あんなに飲んだのに、あまり効果がなかったじゃないか?」などと思ったことが何度かありました。

ひょっとすると、その時飲んだのが乳飲料だったのかも知れません。

2023年12月7日木曜日

一足はブラックの革靴



男の持つべきアイテムの一つに、ブラックの革靴があります。

冠婚葬祭を含め、派手な格好ができないパーティーやお堅いビジネスの場でのブラックスーツにはブラックの革靴が必需品です。



最近ではジーンズといったカジュアルファッションに、あえてブラックの革靴を合わせるオシャレもある様で、1足あるとその出番も多くなる様です。



私はここ何年もクロコ革のスニーカーの販売にたずさわっていましたので、外出するほとんどの場合、自らが広告の一部となる様、クロコスニーカーを履いて出かけていました。

ですから、しばらくの間ブラックの革靴は履きませんでした。

しかし、まだそのタイミングに遭遇していませんが、私も必ずどこかでブラックの革靴が必要になると思い、何年か前に1足用意しました。



国産のホールカットで、ラウンドトゥー。

サイズ確認に足を入れただけで、長く履いた訳ではありませんが、マッケイ製法で作られていますので、軽く返りは良く、履き心地は悪くないのではと思っています。



サイドから見た全体のシェープはイタリア製の靴に似て、良い感じです。


実はこの革靴は最初は染色前の牛革クラストで作った、手染めで何色にもできるカラーオーダーでした。

ですから、コバの色はアッパー革に合わせたブラックではなく、ナチュラルな透明感のあるブラウンで、踵は革の積み上げが分かります。

最終的にはクラスト靴をブラックに染めてもらったのですが、せっかく他の色にもできる選択があったので、画像では分かりにくいのですが、ちょっとしたこだわりを残したいと、履き口に薄くシルバーを入れています。



一度も外に履いて出ていないので、革底は傷ひとつなく、甲部にはまだ履きジワもありません。

さて、この靴を見るたびに、一番最初はどこに履いて行こうかなどと考えるばかりで、実行に移す機会がなかなか見当たりません。

2023年12月3日日曜日

Croco Dress SA808 Black


クロコダイルのドレス靴 Shikibu SA808ホールカットを、ブラックでご注文いただきました。


ヌバック以外、基本的にドレスのShikibuは手染めのカラーオーダーですので、これまでブルーやレッドなどクロコ革の靴としてはレアな色で、更にその特徴を生かした濃淡のあるグラデーションが多く選ばれていました。


ですから、モノトーンのブラックというリクエストはあまりなく、これまでまだ数度いただいたくらいだったでしょうか。


しかし、ホールカットという贅沢な一枚つながりのクロコ革ブラックは、その特徴的な斑の並びを際立たせ、見る人のハートをつかむほどとてもオシャレです。



艶なしのマット調でもご用意できるのですが、お客様は磨きで出す艶ありをご選択されています。

少し前のメノウでゴリゴリに磨いたテカテカの光沢だと、クリームの入れ方次第では革にシミが残ったりすることもありましたが、今回は靴磨きの延長で光沢を出していますので、通常のお手入れで再生は可能です。



やはりブラックのクロコ革は魅力的で、クロコドレスのShikibuを複数足お持ちいただくのであれば、1足はあっても良い様に思いました。

2023年12月1日金曜日

クロコスニーカー 〈ダーミ〉 no. 2979 シルバー



手染めのカラーオーダーによる、クロコスニーカー DAMI no. 2979のシルバーです。

端の方に向かって少しづつ濃くなり、やがてブラック移り変わるグラデーションになっています。

なぜだか最近ダーミのクロコスニーカーは、シルバーが人気です。



シルバーを含むカラーオーダーでは、染色前のクロコ革クラストで製作したスニーカーに色を付ける時間が掛かりますが、在庫内にご希望サイズさえあれば、ご注文から約1カ月でご用意が可能となります。



イタリア製でシルバーに染まったクロコ革のスニーカーは結構レアアイテムで、弊社以外からの供給はあまり見掛けませんが、かなりオシャレです。

以外に思われるかも知れませんが、シルバーはファッションに合わせやすい色でもあります。



今回の納品時には、画像の様に白の平ヒモが装着されています。

シルバーには、革ヒモより白い平ヒモが良く似合います。


シルバーのクロコ革スニーカーがちょっとしたブームにならないかと、心ひそかに願っております。