2021年4月25日日曜日

シンプルで軽いポロサスのブリーフケース


お客様のご希望により、シンプルな構造で軽いワニ革のブリーフケースをお作りしました。

まずワニ革は、イリエワニやスモールクロコとも呼ばれ、腹部の四角形がキレイにそろったスモールスケールのポロサスを使用しました。


胴部には表と裏それぞれに1枚づつ45cm台のポロサス中央の同部位が当てられています。

両面共に、真ん中から左右対称に並んだ四角い斑が外側に向け少しずつ、やがて小さく丸くなるまでの一枚で表現されたクロコのお手本の様なバッグになっています。


特殊な芯材を使うなどいくつかの工夫をし、重量を軽くすることに成功しました。

伺ったお話では、納品時にはお客様もこの軽さに大変ご満足頂いたそうです。


内革にはワインレッド。

コシのある手もみのゴート(ヤギ革)でご用意しました。

内側にはポケットも、ペン挿しさえありません。


せっかく胴部は継ぎのない一枚革ですので、


側面にも継ぎが来ないようにしました。


今回のワニ革はトープ(Taupe)と呼ばれる色です。

温かみのあるベージュを含んだ薄いグレーは、「グレージュ」とも言われています。

目立つ色ではありませんが、汎用性が高く上品な印象で、いろんな色とも相性の良いトープは、実はフランス語ではモグラだそうです。

2021年4月24日土曜日

昨日の出来事

私は都内のお取引先へ向かう際には公共の交通機関を使いますが、最近は地下鉄が多く、JRにはあまり乗っていませんでした。

4駅間ほどの短い区間でしたが、昨日はたまたま山手線に乗る機会がありました。

その車内の座席はほぼ満席状態で、私は立ってつり革につかまっていました。

3駅目で前に座っていた方が下車し、目の前に空席ができたのですが、次の駅で降りることもあり、私は座りませんでした。

そこに、他の乗客をかいくぐり、20歳代であろう男性が強引にその空席に座り込んできました。

そしてその際に、私の足を踏んづけていったのです。

思わず私は、「痛ちぃ」と声に出してしまいました。

その「ちぃ」の声の方が大きくなって聞こえたのか、その若い男性は私をじろりとにらんできたのです。

こちらは被害者と言うこともあり、少し我慢をすれば良いかと一度は目をそらし、シカトしようとしたのですが、その彼はずっと私をにらんだままでした。

そして、しばらく経っても彼は目をそらしません。

あえて戦いを挑みたい訳でもなかったのですが、仕方がないのでちょっとあぶない系の人を装って一言、

「オマエ、人の足踏んどんのやぞ!」

と、ちょっとキツメの口調で言ったのです。

そうするとその彼は少しびっくりした様でもあり、

「謝った。」

と言い返してきました。

そこで私は、

「聞こえとらん。」

と言うと、

その彼はすかさず、

「ごめんなさい。」

と言ってきたのです。


ごめんなさい??


ちょっと拍子抜けしてしまったのですが、こちらはおさまらない気持ちのまま一言、

「だったら許してやる。」

と言い放ってしまいました。


さて、後になって考えると、彼はどういう気持ちで私をにらんでいたのでしょうか。

1) 謝ったのに、この人は聞き入れてくれないのかと残念な気持ちでいた。

2) 謝った声が聞こえなかったかもしれないので、もう一度謝った方が良いか迷っていた。

3) この野郎、謝ったのに更に文句でもあるのか、と思っていた。


しかし、その後彼は下を向いたまま、2度とこちらを向くことはありませんでした。

そして、私は次の駅で下車しました。


もし、私の最後の一言に彼が反応してきていたらどうなっていたでしょうか。

「許さなかったら、どうするんだ?」

とでも言い返してきていたら、物事はややこしくなっていたかも知れません。

いい年をして、ちょっとリスクの伴なう言動をしてしまいました。



 

2021年4月9日金曜日

ホームページの更新 2021年4月



ダーミジャパンのホームページを更新しました。

従来のクロコスニーカー「DAMI」のご案内に加え、新しくクロコドレス靴「Shikibu」のページを設けました。

http://www.dami.jp/shikibu.html



まず、ホーム画面のご案内から。


上段の「New Release」の右隣りに「Shikibu」というタブを追加し、ワンクリックでShikibuページに飛べるようにしています。

また、下段左の小さな長方形の画像にもリンクを貼っていますので、こちらをクリックいただいても移動可能です。




Shikibuページのトップは、クロコドレスのホールカット SA808から始まります。

お好みの色でご用意するカラーオーダーのドレス靴。

その特徴を良くお分かりいただける様、染色後のカラーバリエーションを並べています。




次にクロコローファー SA809。

手染めによる濃淡のあるブルー、人気のグレーとブラックをご紹介しています。




そして、最後に外ハネのクロコドレス SA810。

ぜひ一度訪問してみてください。

2021年4月4日日曜日

日焼け色のクロコローファー SA809


クロコローファーをお届けしました。

弊社のクロコローファーは、お客様のお好みの色でお作りするという特別メニューのカラーオーダーでご用意しています。



今回は革見本の中から、TAN(タン)という色が選ばれました。



TANは辞書で引くと、「黄褐色」や「日焼けの色」と出てきますが、どちらもあまり良い訳ではなく、TANはそのまま「タン」という名称で使われて欲しいと私は思っています。

それには訳があるのです。



西海岸に住み始めて、まだ日が浅かった頃のこと。


日焼けのことを私はサンバーン(sunburn)と思っていました。

そこから更に年代をさかのぼった80年頃にファラ・フォーセットが主演したサンバーンという映画があり、そのタイトルをそのまま日焼けと覚えていたためです。

現地の友人に「日焼けした。」と言いたいところにサンバーンという言葉を使ったのですが、その彼は「どうした、日に焼かれて皮膚がただれてしまったか?」とからかわれてしまいました。

後で分かったことは、サンバーンは日焼け後に真っ赤にはれて、水ぶくれや痛みなどの症状を伴なうものでした。

日焼けして黒っぽくなるのは、サンタン(suntan)で良かったのです。

タンと聞くと、私はいつもそのことを思い出してしまいます。

今後、タンという日焼け色が日常的に使われる世になれば、私のように思い違いをする人はいなくなるのではと思うのです。





さて、あいまいな名称とは異なり、この色はファッションに合わせやすいお洒落な大人色です。

渋めの弊社でも人気の色で、先日もタンでご注文いただいたクロコスニーカーを、ここのブログでご案内させていただきました。



今回のお客様は暖かくなる頃、クロコローファーを素足でカッコ良く履きたいとおっしゃっていました。



お届けしたタイミングは、その目的に十分間合ったと思います。