ワニ革の斑と呼ばれる四角いウロコの中に、穴があるのをお気付きになったことはありますでしょうか。
これは専門家の間で穿孔(せんこう)と呼ばれる穴です。
実はこの穿孔は、ワニの感覚器官なのだそうです。
ワニはこの穿孔で水圧など様々な変化を感じ取るようです。
そして、アリゲータと呼ばれるミシシッピワニやその他一部のクロコダイル種のワニには、腹の部分にこの穿孔がありません。
また、原皮の加工法によっては、その過程の中で穿孔が見え難くなることもあるようです。
さて、この年明け早々に弊社のワニ革スニーカーのお取扱い先から、店頭の商品にクレームを受けてしまったとのお電話をいただきました。
「通常、ワニのうろこの中にあるはずの穴がない。だからこのワニ革は偽物ではないか。」と言うようなことだったそうです。
ひょっとすると、そのお客様はすべてのワニ革には斑の中に穴があり、穴がないものは型押しされた偽物とお考えになったのかも知れません。
しかし、この場を借りてお伝えさせていただきます。
斑の中の穿孔と呼ばれる穴は、ワニ革の種類を判別する場合に使われることはありますが、それがないからと言って偽物と判断するのは早計です。
穿孔のないワニ革もあるからです。
また逆に、最近のワニ革を模した精巧な牛革の型押しには、穿孔を付けたものもあるようです。
何卒勘違いをなさいませんように、お願い申し上げます。
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