2017年8月5日土曜日

手染めの赤いno. 2979


こちらは染色前のワニ革クラストで作製したスニーカーに、赤い染料で手染めしたものです。


これまで何度かご案内していますので、ご存じの方も多いと思いますが、通常の染色はドラムに入れ、洗濯機の様にグルグルかき回して染色します。

そのため、すべての部位がまんべんなく同じ色に染まります。

ドラムでの染色に比べ、手染めの場合は濃淡のあるグラデーションでの色付けが可能になります。

これまで結構な数のワニ革スニーカーを手染めで染色して、お客様にお届けしてきました。

お客様によっては、個性的な染色をご希望されることもありました。



しかし、一番多かったのは、このグレーのスニーカーの様に、甲部先端を濃くし胴部中央に向け少しづつ薄くなり、また中心から踵部に向け濃いくなるという分かりやすいグラデーションでした。



さて、今回受け賜わった染色は、弊社でご用意している標準色の赤です。

甲部先端と踵部が濃いくなるというのは、これまでのグラデーションと変わりません。



但し、この様に正面から見ると、チョットこれまでとは異なる個性的な装いになっています。

どう違うかと言うと、甲部先端からベロ部中央にかけて薄くなり、ベロ部のトップが濃くなっています。

しかし、靴ヒモを通すハトメのハネ部は全体的に濃いのです。



そして、胴の部分も上部と底部が濃く、胴部の中央に向って薄くなっているのです。



一つの発見として、色の濃淡が不規則になると、見た人はそれがどうなっているのかと考える分、そこにより強い印象を受けるの様になるのではないかと思いました。

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