2015年7月3日金曜日

一枚仕立て風、デニム色のワニ革トート


デニム色のワニ革トートバッグを作製しました。
ワニ革は、ポロサスやスモールクロコなどと呼ばれるイリエワニを使用しました。
スモールスケールの四角い斑がきれいに揃っていると言われている種類のワニです。

そして、ワニ革との際立ったコントラストを出したいと思い、裏革には赤いゴート(山羊革)を選択しました。



上部幅48㎝x底部幅36㎝x高さ30㎝というサイズですので、これまで弊社で作ってきたワニ革トートの中では中型サイズといったところです。




50㎝台後半のワニ革を両面に一枚づつ2枚使いましたので、胴部はどちらもワニの中心部位の同じ模様の斑です。
もちろん、肚(はら)ワニの中心部がバッグの中央に来るような裁断になっています。
中心から左右それぞれ外側に向かってシンメトリーに斑の大きさが少しづつ小さくなり、サイドの丸斑になるところまでが一つのバッグの中で表現されています。



胴部は2枚のワニ革だけで構成されています。
側部の中央に継ぎ目があり、マチ部胴部を含めそこから反対側の側部の継ぎ目までがつながった一枚です。
せっかくワニ革でバッグを作るのならば、できるだけ継ぎはぎがなく、一枚のワニ革を最も大きく有効に使った方が贅沢で綺麗です。



裏革の表面にワニ革の斑の裏の模様が浮き出ているのがお分かりいただけるでしょうか。
最近はやりの一枚仕立てを真似てみました。
表のワニ革と裏革をぴったりと張り合わせていますので、まるで一枚の革で作ったように薄くすっきりとして見えます。
本当に一枚で作るとカッコ良いのですが、強度の心配があるので、一枚仕立て風です。




矢じり型の持ち手の付け根部は、手縫いで外側と内側をつなぐ通し縫いになっています。



底部は高級感を優先し、あえて底鋲は付けていません。



内側の吊り下げポケットは途中横にファスナー部で切り分けられています。
しかし、その上段部から下段の二つに分かれたポケットに至るまで、斑の模様がつながっているのがお分かりいただけると思います。
ここは職人のこだわりでした。



内側の側面にベルトが装着されています。



そのベルトの先端に付いた留め具を反対側の側面にある金具につなげられるようになっています。
ちなみに細かいところですが、このベルトはサイドが切りっ放しではなく、三つ折りにした腕時計のベルトと同じ作りになっています。



留め具をつなげると、外観はこのようにコンパクトな形になります。



これまで弊社で作ってきたワニ革トートはどちらかと言えばサイズが大きめで、端から端まで大きなワニ革一枚で作るというところをうたい文句にしていました。
大きなサイズで傷のないワニ革は市場にあまり流通しておらず入手が困難で、希少価値があります。
しかし、展示会などでご来場いただいたお客様に「もう少し小さければ使いやすいのに」とのアドバイスをいただいたことが何度かありました。
今回は結果的にそう言ったお客様のお声にお応えしたかたちになりました。

今後もしどこかで、「もう少し大きければ買ったのに」なんて言われたら、ショックです。

0 件のコメント:

コメントを投稿