2015年7月9日木曜日
お隣の国のお客さま
一昨日のお話です。
日本橋のとあるビル地下に飲食店が並ぶフードコートで食事をしていると、向こうからお隣の国の家族連れが必要以上の大声で話しながら歩いてくるのが見えました。
爆買いのお帰りなのか、お父さんは両手に大きな紙袋を下げていました。
静かに食事を続けたかったので、心の中で「こちらの方には来ないでー。」と願っていたのですが、その思いとは裏腹に御一行は私の真横のテーブルに来てしまいました。
席に着くと、すぐにウェイトレスが注文を取りに来ました。
お父さんの受けた教育レベルは高いようで、きちんとした英語でお話されているようでした。
そのご家族は少し話をした後、お母さんだけはまたお買い物にお戻りなのか、荷物を置いてどこかへ行ってしまいました。
残されたのは、お父さんと女の子二人。
姉妹のような二人はどちらもイヤホーンを付けたまま、それぞれのiPadでゲームを始めました。
お父さんは紙袋の中からガンダムのプラモデルの箱を取り出し、その場で開封。
数秒とかからずにその組立てに夢中になりました。
しばらくしてウェイトレスが食事を持って来ても、気にも留めません。
ガンダムはまず胴部を完成させ、お父さんは次に脚部の組立てに取り掛かりました。
お箸入れのケースがステージになり、ガンダムの部品が並んでいきます。
お父さんはTシャツに黒系のパンツというラフな装いでしたが、それぞれは有名なブランド物のようでした。
襟口からはこれまた高価そうなネックレスがのぞいていました。
別にこちらに何らかの被害がある訳でもないので、知らん顔をして、食事が終わればその場を立ち去るところでした。
しかし、何とそのお父さんの足元に弊社のワニ革と山羊革メッシュのスニーカー no. 3357を見つけたのです。
その瞬間から、そのお父さんに対するネガティブな印象は吹き飛び、以前からの知り合いだった人を見ているような気持ちになってしまいました。
結局、相対する人との気持ちなんてこんなものなのかも知れません。
関わり合いになるのは嫌だなどと思っていた相手に、自分から話し掛けてしまうことになったのです。
もちろんそのスニーカーの関係者だとは言いませんが、この様にお声掛けしました。
「お取込み中のところ済みません。その履いてらっしゃるスニーカーはとてもカッコ良いですね。どちらで購入されたのですか?」
お父さん答えてくれました。
「イースタンです」
イースタン?
はて、そう言った店名の先に卸している覚えはないのでもう一度伺いました。
私 「それは日本国内ですか?」
お父さん 「そうです。あなたは現地(地元)の人ですか?もしそうなら分かるはずです」
いや、分からないなーなどと思っていると、お父さんはスマホを取り出し、Webを開いて一つの文字を指さしました。
「ISETAN」
ああ、そういうことでしたか。
よくお話を聞いてみると、1年ほど前に日本に来て、その時に伊勢丹でそのワニ革スニーカーを購入されたとの事でした。
写真を撮っても良いですかとのお願いに、ガンダムを置いて、わざわざ両足を揃えてこちらに向けていただきました。
上段の画像はその時のものです。
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