これは、先日の百貨店主催のホテルで行われたイベントでのことです。
そこで展示していたダーミのクロコスニーカー no. 3655はワニ革とヤギ革メッシュの組合せ。
私どもの展示スタンドにお一人のお客様が足を止め、この no. 3655をご覧になっていらっしゃったので、ご案内しようとお声掛けしました。
「このクロコスニーカーはヤギ革をメッシュに編んだ部分が甲部中央に使われているので、歩く際、返りが良く、履き心地は快適です。」
そうしたところ、そのお客様はなんと次の様にご返答されました。
「そんなことは分かっている。一体オレが靴を何足持っていると思っているんだ。」
ビックリしましたが、ご機嫌を悪くされても困ると、
「そうでしたか、それは失礼しました。」
とお応えしました。
そうするとその方は、
「本当に失礼だ。」
と言って、サッと立ち去られました。
束の間のことでもあり、一連の会話の流れの中ではそこまで思いませんでしたが、謂れのない叱責に後からメラメラと腹が立ってきました。
残念なことに私は超能力者ではないので、お顔を拝見しただけでは、お客様が靴を何足お持ちか、またどれだけ靴にお詳しいかは分かりません。
もし話す前からご自身のことを分かっていて欲しいのであれば、最初からそれをお顔に書いておいてはいかがでしょうか。
話は変わりますが、CRMという分野があります。
Customer Relationship Management、顧客関係管理と訳し、顧客満足度を向上させるために、顧客との関係を構築することに力点を置く経営手法のことを言います。
一つの例として、事前に集めたお客様情報をデータベース化しておき、お電話をいただいた場合、表示されている発信者番号をキーに瞬時にそのお客様情報をPC画面に引出しておきます。
そうすることで、お電話がつながる前から、お相手がどういうお客様かということが分かった上でお話を始めることができるのです。
どういうご趣味の方か、年齢、家族構成、前回のお問合せ用件などが事前に分かっていれば、それなりの対応ができるでしょう。
必要以上にお客様をお待たせしない、適切な情報を素早くご案内する、結果として信頼感を高め、良好な関係を構築できるということです。
車で店に来られた方には、駐車場入り口のカメラでナンバープレートを読み込んで、受付前に立たれた時にはお客様の状況が認識できているということも実現可能になると思います。
何度もそのカーディーラーに通い、新車を購入しようと決心して来店されたお客様に、新規のお客様と同様に「アンケートのご記入からお願いします。」などと言ってしまわずに済む訳です。
将来的には多様な販売先でも顔認証を顧客データベースにリンクさせて、お店に入って来たお客様のそこでの購入履歴が事前に分かった上で、接客を始められる世の中になるかも知れません。
話はクロコスニーカーに戻りますが、実は私自身でも no. 3655を1足所有しています。
実際のところ、この「返り」の心地の良さは、履いていただかないと分からないと思います。
チョット言い過ぎかもしれませんが、メッシュ部の柔らかな当たりと、抵抗の少ない「返り」は、私にとってはアッパー部の革だけを言うと足袋のような感覚です。
さて、前段のお客様についてしばらく考えたのですが、その方は気分屋さんでただ単にご機嫌が悪かっただけなのかも知れません。
または、ひょっとするとダーミのスニーカーをいくつかお持ちになっていらっしゃる方だったということも考えられます。
それなのに、その説明をされてご気分を害されたという可能性もあるでしょう。
しかし、仮にそうであったとしても、今の世ではまだそれは仰っていただかないと、こちらには分かりません。
しかしそうは言っても、もしダーミの既存のユーザーさんでいらっしゃったのであれば、知らなかったとは言え、申し訳ございませんでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿