2021年6月1日火曜日

クロコのカブセトート その1


何ともすごいバッグが出来てきました。

クロコダイルを使い、天面がカブセに覆われたトートバッグです。

バッグは全体的に固めで、頑丈に作られています。

使用したワニはポロサスと呼ばれる、比較的に斑の模様がキレイにそろったスモールクロコ。



今回はお客様に日を分けて何度も販売店を訪問いただき、ご希望をひとつずつお伺いすることで仕様が固まっていき、作り上げると結果としてこの様に仕上がりましたというバッグです。



このバッグを象徴する中央のベルトはゴツゴツとした背ワニを使用しました。

このベルトと胴部のワニ革は元からブラックで、


カブセ部は中央の明るいコバルトブルーが左右外側に向け少しづつ濃くなり、やがてブラックになるというグラデーションになっています。

バッグ表面(おもてめん)の中央ベルト挿しの上には、お客様のお名前を彫り、ニッケルメッキを施した真鍮製のプレートが取り付けられました。


染色前のクラスト状態のポロサスを調達し、カブセ部と持ち手部を先にブルーに染め、バッグを完成させた後にグラデーションを付けました。



カブセ部とつながった背面も同様に、ベルト部以外はブルーで作製し、


最後にこの様に濃淡を付けました。



横から見ると良く分かるのですが、頑丈なバッグにするために、このバッグの底辺四角(よすみ)にはまる様に、織り込まれたワニ革が縫い合わされています。



底部にはカブセと同様の染色を施したひし形のワニ革が中央に貼り付けられています。

そして、両サイドに3つずつと中央のひし形部に5つ、合計11個の大きな底鋲が取り付けられています。



ベルトを取り外し、上から見ると、カブセ部のきれいなグラデーションが分かります。



通常では見えない内側の革は、ゴート(ヤギ革)にお客様のご希望でオレンジに近い濃いイエローを特注でご用意しました。

ポケットにはグリーンのゴートで縁取りされています。

画像では見えていませんが、ファスナーを開くとその中はコントラストの効いた赤になっています。


お客様と販売店のスタイリストさんとデザイナーの3人で何度も打合せを持ち、仕様策定には相当な時間をかけましたが、お好み通りのクロコカブセトートが出来上がりました。

私はその場に立ち会っておりませんが、完成したバッグをお届けした際は、お客様には大変ご満足いただけたそうです。

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