2020年3月21日土曜日

分水嶺について

分水嶺という言葉があります。

以前、私はその意味を間違って解釈していた時期があり、それを修正した後には、簡単には忘れない言葉のひとつになっています。


本来、分水嶺とは雨水が異なる水系に分かれる山脈の境界線のことを言う地理用語です。

その文字の通り、水が分かれる嶺(みね)を指します。

そして、この自然のありさまを、物事の方向性が決まる分かれ目にたとえることがあります。

突然発生した引き返せない分岐点や、既存の慣行を新たな枠組みに置き換えた歴史的な転換点をそう呼んだりします。


人類の歴史の中での最初の分水嶺は、ものを書くことの発明だそうです。

次が古代メソポタミアで穀物商が在庫帳簿を付けるようになったこと。

そして、貨幣の出現、ゼロの発見、複式簿記、共同株式保有と続きます。


一番最近の例としては、インターネットの普及です。

家庭、企業、政府などが、データベースをリンクして、情報交換が行われるようになり、人々の生活様式を変えました。

利用される端末がPCからスマホに及んだことで、その利用人口は急激に増加しました。

そして、もうインターネットがない世界に戻ることはありません。

さて、次に起こるであろう歴史的な分水嶺は何になるのでしょうか。


そう言えば、まだ子供の頃、時々疑問に思っていたことがありました。

降った雨が山中の小さな川の水となり、やがてそれが支流を束ねた下流にたどり着き、海に流れて行きます。

川は日本のあちらこちらにあり、太平洋に向いた川、日本海側に向いた川とそれぞれありますが、その水が最初に分けられる境い目がどこかにあるのだろうかと。

今になって気付きます、それが分水嶺と呼ばれていたのだと言うことを。

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