2021年7月16日金曜日

坂道ダッシュ

1年以上も続くコロナ禍で、不要不急の外出を避ける様になったこともあり、相当な運動不足から最近いくつかのことを実感するようになっていました。

まず、お腹周りにお肉が付き、以前の体型が保てなくなってきたこと。

体が固くなり、何でもないと思っていた屈伸運動を負担と感じ始めたこと。

思っていたより腰が曲がり難くなっていたり、腕をグルグル回すとそれだけで肩の関節辺りがゴリゴリと鳴っている様に感じます。

そして、最近気のせいか滑舌が少し悪くなったように感じることなども。

血液循環が悪くなり、脳梗塞にでもなったらどうしようかと心配になってきました。

しかし、スポーツジムなどの密閉空間にトレーニングで息が荒くなっている人達の間に入って行くのは気が進みません。

そこで、朝のラジオ体操に加え、3日に一度は外を走る様にしました。




幸い近所にジョギングコースとして最適な道があり、半キロほど走った先にはくねくねと折れ曲がった坂道があるのです。

もう若くはない体を酷使するようでもありますが、そこで坂道ダッシュをしようと考えました。

時々近所のクラブ活動の高校生たちが2~3人単位でダッシュを繰り返しているのを見て覚えていたのです。




ここがその坂の一番下。

自宅からここまで走って来るだけでも結構な運動になり、最初の1、2回はこの時点で既に息が切れて「はあはあ」言っていました。



勢い良く坂を上り始めるとすぐ左手に地名表記を見つけられ、「別所坂」とあります。


後から調べて分かったことですが、ここは由緒ある坂道の様で、「かつては江戸の人びとが麻布辺りから行楽の地、目黒に入る近道として重要な交通路だった。」そうです。


坂は上に行けば行くほど急になり、最大勾配はなんと13度・23%。

広い東京23区内の坂道傾斜ランキングでも、四輪車が通れる太坂部門で第5位にランクインしていました。


サイトで見つけた案内によると、「江戸時代は雨や雪の日はほとんど通行不可能だっただろう。」とのことでした。



そして、ここがこの坂のメインとなる最終傾斜地です。

坂の端から端まで地図上の距離では100数十メートル、勾配を計算に入れるとおよそ150メートルほどで、そんなに長い訳ではありません。

しかし、これだけ坂がキツイとこの地点ではもう完全に息が上がってしまい、立ち止まろうとする自分をなんとか奮い立たせながら頂上を目指します。


最後の最後が階段になっています。

登り切ってしまうと、ゼイゼイとあえいで数分間の休憩を要します。


頂上にあたる階段の向こうにはこの様なちょっとしたスペースが広がっています。

そして、少し呼吸が元に戻るとガクガクする足にムチを打って、転げ落ちてしまわない程度の速度で坂の下に向け、また走り始めます。

私はここに走りに来た時には、最低でもこの坂道で3回往復することをルーティンにしています。

短時間でも心拍数は上がり、相当な運動量になります。


 最後の階段の途中にこの様な案内板が出ており、次の様に記されていました。

「この辺りは、昔から富士の眺めが素晴らしい景勝地(景色がすぐれている土地)として知られたところ」と。

しかし残念なことに、私はまだここで富士山を見たことがありません。

周りに多くの建物が立ち、当時とは景観が変わってしまったでしょうか。

「苦しい思いで頂上にたどり着いた時、晴れた日には絶景が見渡せるよ。」などと、オキニの彼女をジョギングに誘い出す良い口実になっただろうにと思うのですが。

しかし、体はくたびれて行くばかりで、気が付くと悲しいかなもうそんな青春時代のお話はとうの昔に過ぎ去っていました。

0 件のコメント:

コメントを投稿