2022年6月3日金曜日

ワニ革時計ベルト 2022 no. 1


ワニ革を使った時計ベルトの製作を受け賜わりました。

色はダークブラウンです。



裏革は同色の牛革を使用しました。



最近の高級時計に使われるベルトは、接合部に使われるピンがアーチを描いています。

ですから、そのピンを通すベルトの通し穴の方もアーチ状になっていないといけません。

ただ単に革を折り曲げて縫うと、その折り返した先端は直線になってしまうので、職人は気を使わなければいけないところです。


さて、元々数百万円する腕時計にワニ革ベルトが付いていたのですが、今回のお客様はそのベルトにお気に召さないポイントが二つあったため、新たにベルトを作って欲しいと依頼されました。


ワニには斑という丸かったり、角だったりする模様があります。

その斑と斑の間には溝があり、ベルトに対し横に直線の溝がある場合、経験の浅い職人が作ると、その溝で折れてしまい、ベルトを曲げた時、画像の①の様に複数の角が立つのです。

1点目のポイントは、ベルトを折り曲げた時、②の様に丸い弧を描いてしなやかに曲がる様にして欲しいということでした。




2点目は、サル革と呼ばれるベルトの反対側の端を通す2本の帯に付いてです。

オリジナルのベルトのサル革は薄く細かったので、簡単にへたったり、切れたりしそうで、ここを太めで頑丈に作って欲しいということでした。



ご要望にお応えした時計ベルトになったと思います。

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