昔読んだ、明治時代にサムライが船でハワイに行くという小説の中で、登場人物の一人がバーでウィスキーを注文し、確かバーテンダーが水割りにしますかと尋ねたのです。
するとその客は、ウィスキーを水で薄めて飲まなければならない程落ちぶれてはいないぞ、と言い返した場面をふと思い出しました。
ちょっと融通の利かない武骨なイメージの愛すべきキャラクターでした。
さて、最近私は宅飲みをする際、長くゆっくり、しかしたくさん飲みたいので、焼酎に果実酒を加え、冬はお湯、夏は炭酸水で割って薄くしたものを何杯も飲んでいます。
そうしないと、お酒に弱くなったこの頃は映画やドラマを見ていると途中で寝てしまい、終わりまでたどり着かないことがよくあるのです。
そんな私でも、それは買ってまで飲まないだろうという飲み物が発売されました。
アルコール度数3.5%のビールです。
普通のビールのアルコール度数は平均5%程ですが、それをなんで3.5%まで低くしたものを飲まなければならないんだと、冒頭の小説の登場人物と同様に思ったからです。
人によっては多様な状況があり、それが最適な選択になることもあるので、決めつけてはいけないと思います。
そして、私にも3.5%のビールを飲む状況が出て来ました。
実は先週、とある医療処置を受けることになり、三泊四日の入院をしました。
退院の際、ドクターに食事制限の有無を確認したところ、特にはないがアルコールは一週間ほどは控えた方が良いと言われてしまいました。
四日間も我慢し、退院祝いに一杯のビールくらい飲みたいがノンアルコールビールでは味気なく、しかし医者の言い付けを気にした私が手に取ったのは3.5%のビールでした。
いくらか欲求は満足されました。
当初私は3.5%のビールはアルコール度数が低いだけで、ビールと同じ味がすることを疑っていませんでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿