クロコダイルのドレス靴 Shikibu SA810のご注文をいただきました。
SA810はプレーントゥの外ハネタイプ。
その製法は、ボロネーゼ式グッドイヤーウェルテッドです。
ホールカットのSA808と同様に、片足にクロコ革の斑の並びが一番きれいな中心部をあてますので、この靴1足の製作には2枚のクロコ革を必要とします。
今回受け賜わった色は、胴部中央にグレーを置き、甲部先端と踵それぞれに向かい濃くなっていくグラデーションです。
これは染色前のクロコ革クラストで先に靴を成形してしまい、最後に手染めで色付けするカラーオーダーで実現します。
手染めは、もちろんそれ専門の職人さんにお願いするのですが、高価なクロコ革にやり直しのきかない一発勝負の染色になるので、その職人さんにとっては相当緊張する作業だと思います。
また、染めの技術だけではなく、染料の組合せやその濃淡など色自体の出し方に精通した方でないとその職は務まらず、出来上がってきた際に希望と違うものになっていたりすると、後々すごく困ることになります。
靴への手染めができる職人さんは私の知る方だけでも結構な人数いらっしゃいます。
とは言え、弊社のカラーオーダーに関しては、商品の特性を理解し、意図を汲んでくださる気心知れた間柄でないと、細かな情報を伝えるのは難しく、手染めができれば誰でも良いという訳では決してありません。
そういう意味では、毎回要望通りの作業をこなしてくれる職人さんにはいつも感謝していることを、ここでお伝えしておきたいと思います。
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