ゴルフシューズをお作りすることになりました。
これまでも何度かご依頼を受けたことはあったのですが、私どもがゴルフシューズを作るとすれば、クロコのスニーカーとして作られたものを改造して作り替えることになります。
最初からゴルフ用として設計された靴ではないので、後から何らかの不具合が発生する可能性があるやも知れず、これまではお断りをしていました。
しかし、今回は大変お世話になっているお客様からのお話で、うまく行かなくなるリスクをご説明の上、それでも構わないとのご承諾をいただきましたので、着手させていただきました。
こちらがその完成したクロコのゴルフシューズです。
ベースは、染色前のクラスト革でご用意するカラーオーダー用のクロコスニーカー no. 2979。
カラーオーダーですので、お客様のお好みの色で手染めによる染色を行います。
A案
B案
C案
D案
まず、ご選択いただけるようにデザイン画を4案作成し、お客様へご提案申し上げました。
そして、最終的にA案が選ばれました。
ご注文を受け賜わった後、スニーカーのラバーソールを付けない状態のクラストのno. 2979をイタリアへ発注し、それが国内に入荷された後に染色を施しました。
こちらが染色を終えた、ソールを取り付ける前のスニーカーです。
この状態で専門の職人さんの工房に持ち込みました。
どの様なゴルフ靴にするかということは事前に打合せており、アウトソールに取り付けるソフトスパイクは用意されていました。
ひと昔前はゴルフシューズと言えばメタルのスパイクが付いたものしかありませんでした。
近年はコースを傷つけるという理由で、メタルスパイクでの入場を禁止にしたゴルフ場も少なくありません。
また、最近はスパイクレスが結構はやりで、そうなると自宅からシューズを履いたままゴルフ場へ来られる方もいらっしゃる様です。
あるゴルフショップで聞いたところ、そこでのソフトスパイクとスパイクレスの販売実績の比率は7対3で、やはりまだソフトスパイクが多いそうです。
今回のゴルフシューズの構造は、まずアッパーがクロコスニーカー no. 2979の吊り込みを終えたソールを付ける前までのもの。
そして、ソールは職人さんが用意したアウトソールとミッドソールの2重構造になったものです。
アウトソールにソフトスパイクを取付け、スパイクの付け根部が靴の中で足の裏を傷つけない様、ミッドソールは固めのものを選びました。
ソールの装着前と装着後を真横から見たところです。
オリジナルの履き心地が良いクロコスニーカー no. 2979に比べ、固めのソールで「返り」が少し悪くなっているとは思いましたが、ゴルフシューズとしてはこれくらいで良いのかも知れません。
デザイン画レベルでは、白い靴ヒモに白いソールを付けていましたが、染色後に装着すると黒い靴ヒモと黒いソールの方が断然フィットしました。
結果として、スニーカーベースの国内第一号は、とても綺麗なクロコのゴルフシューズとなり、お客様にもご満足いただいた様です。
さて、実際にラウンドされてみて、いかがだったでしょうか。
プレイ後のお客様のご感想がとても気になるところです。
0 件のコメント:
コメントを投稿