金色のワニ革を使った長財布のご注文をいただきました。
まず、基本的なところで、染料に金色はありませんので、色付けは顔料を使用します。
染料は革の内部に染み込み、発色がよく、鮮やかな仕上げになります。
一方、顔料の場合、革の表面にとどまることで着色します。
染み込んで広がらないので、重厚感のある精細な色の再現に優れているということです。
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さて、ゴールドでの着色ですが、濃くなっていく部分にダークブラウンを組合せ、2色使ったグラデーションとすることになりました。
今回の長財布の作製には、工程に悩みました。
2色で展開するグラデーションですから、革を先に染色してしまうのは結構大変な作業が予想され、リスクがあります。
また、染色前のワニ革クラストで先に長財布を作り、後から染色することも考えましたが、財布の内部にもワニ革を持つようにするため、製品にしてからの特殊な染色は困難です。
結局、染色前のワニ革の使用部位を先に裁断し、それを染色した後、長財布を縫製することになりました。
ですから、まず職人さんに製作依頼し、ワニ革を裁断してもらい、それをカラーリストさんのところに持込み、染色後にワニ革を再び職人さんに戻します。
高級素材ですから繊細な輸送管理と、それぞれの職人さんに独自のスケジュールがあり、うまく予定を組み込まなければなりませんでした。
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こちらが、事前に裁断したワニ革が染色を終え、戻ってきた状態です。
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上の小さな二つがファスナーの引き手用、下の少し大きめに並んだ2段の革が内側で帯状に縫い付けられるものです。
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そして、完成した長財布。
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こちらから見ると、この長財布の表の革は継ぎ接ぎのない、一枚のワニ革で作られていることが分かります。
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長財布の内側です。
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仕切りにもなっている中央のファスナーの引き手部分と、カードホルダー上部の帯部のワニ革が、表と同色になっているところは、この財布のお洒落なところです。
最近は百貨店の大きなイベントに出展参加すると、ワニ革のバッグや財布など革小物を展示している他メーカーさんが数多くいらっしゃいます。
しかし、私自身ではこれまで金色で作られたクロコの長財布を見たことはありません。
手前みそな言い方で恐縮ですが、自信の一品です。
お金がたくさん入ってきそうです。
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