井上陽水の初期の作品に「断絶」という曲があります。
先日偶然、耳にする機会に恵まれました。
メロディーとテンポが良く、私の好きな一曲です。
その一番の歌詞では、夜中に近くの公園でデートして愛を確かめ合っていると、相手のオヤジが出てきて、娘は嫁入り前で近所でおかしな噂が立つと言われるのです。
この曲を最初に聞いた時、私はまだデートをしたことがない子供でしたが、「将来、彼女ができた時、相手の父親が出てきて叱られたらどうしよう、怖いなー。」という思いでいました。
しかし、何十年かぶりにこの歌詞を聞いてみると、父親はごく当たり前のことしか言っていないということに気付くのです。
まず、夜中に娘に会いに来るのが非常識。
近所まで来たなら家に来て、きちんと家族にも挨拶くらいするのは礼儀。
おかしな噂を立てられるような行動をされると迷惑なのは、当然のこと。
二番になると、その歌詞はさらに過激で、オヤジに分かってもらえないのであれば、どこかへ逃げようと相談するのですが、そこにまたオヤジが現れます。
そして、「駆け落ち家出は絶対いけない、なぜなら娘はまだまだ子供だ」と言われます。
相手の親に分かってもらえないからどこかへ行こうというのは、極端に身勝手な解決策。
娘が子供でなかったとしても、駆け落ち家出はその娘を育ててきた親にとっては絶対にいけないこと。
そして、交際相手の親を「オマエのオヤジ」と呼ぶこと自体、十分失礼な話です。
子供の頃はこう言う発想には至りませんでした。
その曲を聞いて、同じ人間が異なる年代でこんなにも正反対の感想を持つようになるとは、不思議なものです。
さて、「断絶」は作者の実体験からできた曲なのでしょうか?
チャンスがあれば、ぜひ伺ってみたいものです。
0 件のコメント:
コメントを投稿